No.98(2009年7月号から)

都議選自民大敗の衝撃

政権交代不可避に動揺する自民


   東京都議会議員選挙が7月12日投開票され、民主党が改選前の34議席から54議席に躍進し、自民党に代わって初の都議会第1党になった。自民党は都議会有力者がつぎつぎ落選を重ね、公明党と合わせても過半数割れとなり大敗した。

 自民党は今回の選挙で告示前から麻生首相が候補者57人の事務所を訪問し、異例の応援を展開したが逆に民主に「東京からの政権交代」を訴えられ有権者の国政への不満が都議選に反映し、政治を変えたいとの気持ちを一気に高めることとなった。

 投票率は54.49%で前回より10ポイント超も上回った。明らかに無党派層が動いたことを示している。

 自民党が東国原宮崎県知事の擁立の動きを示すなど色々と策動したことが逆に有権者には悪足掻きと映り、いい加減にしてくれ!という気にさせたのである。

 朝日新聞の出口調査によれば衆院選の比例区で、どの政党に投票しようと考えているかの調査で自民と答えたのが19%、民主は46%だった。つまり都議選結果は、国民に信を問わず政権をタライ回ししたことに対する国民の怒りの表れであった。

 重要なのは7つある1人区のうち5選挙区で民主党が勝ち、16選挙区ある2人区で民主党が全員トップ当選したことである。つまり衆院選の小選挙区300議席では都議選以上の民主圧勝となる可能性がある。中選挙区が多い都議選だから、むしろ自民はこれだけの敗北で済んだと言える。

 自民党の動揺は深刻だ、明らかに彼らは国民の怒りを甘く見ていたのである。

 消えた年金、後期高齢者医療制度は収奪機構であったし、定額給付金のバラマキ、挙句の果てに消費税増税である。昨年秋からの不況は深刻で雇用が破壊され国民経済は危機にあり、これらが自民党政治の結果であることを国民は見抜いている。自民党の選挙を前にした小細工にも国民はうんざりしている。宮崎県知事担ぎ出しは、国民を舐めた行為というほかはない。

 共産党も民主の風に直撃され13議席から8議席に減少した。国民は共産党が野党の票を割り、結果自民が有利になることを見てきたのである。

 麻生首相は13日昼、都議選の敗北を受けて自民・公明の幹部と会談し、21日にも衆院を解散し、8月18日公示、30日投開票の日程で総選挙を断行する意向を表明し、自・公側は受け入れた。

 麻生首相は都議選の敗北で党内が動揺し、麻生おろしが高まることに先手を打ち、衆院解散の日程を発表した。

 自民党にとっては最悪な時期の解散となる。彼らは解散を引き伸ばせば景気回復して流れが変わると読んでいたのである。ところが今回の不況は長期化が必至で、自民は不況の責任から免れぬこととなった。

 思い起こせば麻生政権発足直後と小沢前代表の政治資金問題が表面化した時が解散のチャンスだった、だが麻生には小泉のように勝負を挑む度胸が無かったのである。

 一日でも長く首相のイスに座りたい、この麻生の消極性が国民生活の悪化に苦しむ国民の気持ちを背離させたと言える。自民党は民主党首の政治資金ばかりに関心を向けた。しかし国民は政権政党の方がより政治資金に汚れ、腐っていることを知っている。

 選挙に勝とうとして政府は予算のバラマキをおこなったが、実体経済の回復は遠く、国民の生活不安は一層拡大した。小泉以来の自公政権の「改革」がつまるところ国民生活の破壊であり、大企業優先・金持優先・官僚優先の政治に他ならず、もはや自民に国民はうんざりしているのである。

 戦後初めて国民の投票意思で本格的政権交代が実現する局面を迎えたと言える。全野党は、次期総選挙で全野党による選挙協力を実現し、国民が期待する政権交代をぜひとも実現しなければならない。