No.96(2009年5月号から)

軍事大国化めざす中国の野望に警戒!

世界同時不況の中で矛盾と格差拡大


   「改革・解放」政策で今や中国は世界一の貿易黒字国である。北京オリンピックも成功させて、中国の大国意識が高まっている。

 昨年の4〜6月期までの10%を超える経済成長で自信も持ってきた。しかし世界同時不況により困難に直面している。中国の経済成長は沿海部と内陸部の格差を拡大し、地方と中央の矛盾、農村と都市の矛盾を強めている。貧富の格差は拡大し、旧ユーゴスラビアのように国家的分裂をうながすのである。

 中国政府は国家的分裂を防止するために愛国主義教育を強め、大国主義を注入し、報道も愛国主義を鼓舞する報道をおこなっている。4月23日中国海軍は創設60周年の行事として、14ヵ国の艦船21隻を招き、初の国際観艦式を開いた。ここでは原子力潜水艦2隻を初めて公開し、艦艇25隻と爆撃機や偵察機など31機の航空機を登場させた。

 中国海軍は現在「外洋型海軍の建設」をめざしており、5〜6万トンクラスの空母2隻の建造計画も進んでいる。すでに国産空母を建造する造船工場が上海に完成している。これは中国軍部の力が巨大化しつつある反映であり、注目すべき動きと言わなければならない。

 中国政府は、日本の領土である尖閣諸島(中国名釣魚島)の領有権と沖縄近くまでの領海を主張しており、中国の地域覇権主義をめざす海軍の大増強は、即日本の脅威となっている。

 中国経済は輸出先(米欧日)の景気後退で、1〜3月は輸出が19.7%も減少し、国内総生産(GDP)実質成長率が前年同期比6.1%増(中国国家統計局発表)だった。中国は8%成長を目標とする「保八」(8%成長維持のこと)を追求していたが、昨年11月に約58兆円の内需拡大策を取っているのにもかかわらず、6.1%だったことは、中国内部の階級矛盾の激化が予想される事態と見なければならない。こうした状況ゆえに中国政府は「共産党が無ければ新中国は無く、祖国の繁栄や富強はあり得なかった」という愛国教育を強化しているのである。

 中国がデジタル家電のソースコードの強制開示の制度の導入(一年延期)を計画していることも大国主義の反映である。

 一党支配の中国はかつてのソ連と同じく党官僚支配の資本主義国に変質しており、口先の「社会主義」実際の資本主義の矛盾、軍と軍需産業の肥大化を原因として、旧ソ連と同じように覇権主義的体質を強めている。

 中国はいつでも反日運動に火を付けることができ、日本は中国が欲しい技術を持っている。その日本は国防には無関心で、おめでたくも憲法9条を宝とあがめ、自公政府は対米追随一辺倒である。

 アメリカの衰退は明らかであり、日本は対米自立の時を迎えており、同時に中国の対外拡張をめざした軍事大国化路線のゆくえを警戒しなければならない難しい局面にある。日本民族の自立と独自の戦略を持つべき時である。