No.94(2009年3月号から)

対米自立の小沢をターゲットにした政治陰謀糾弾!

西松建設政治献金問題


   3月3日西松建設の裏金事件に絡んで民主党の小沢代表の公設第1秘書が、政治資金規正法違反の疑いで東京地検特捜部に逮捕された事件は、かつてのロッキード事件で田中角栄首相が失脚させられた事件を想起させるものである。

 発端は今年1月に準大手ゼネコンの西松建設元副社長が、部下を使って海外の裏金7000万円を税関に無届で国内に持ち込ませたとして、外為法違反容疑で東京地検特捜部に逮捕されたことである。

 この時から西松の事件は小沢がターゲットであることがウワサとして流されていたのである。

 事件は、西松建設が設立した「新政治問題研究会」(95年設立、06年解散)と「未来産業研究会」(98年設立、06年解散)の政治団体がダミーであったという事で、大久保秘書が西松からの政治献金であることを知りつつ、政治資金収支報告書に虚偽の記載をした疑いで逮捕されたものである。

 つまり献金をした側の問題で、献金を受け取った側が逮捕されるという、およそ“こじつけ”とも思える理由であり、しかもこの時期に逮捕することは異例である。

 政権を握る側の政治家なら職務権限があるので逮捕もあり得るが、野党第1党の党首、しかも政権交代が確実と思える側の党首の秘書が逮捕されるというのだから、政治的理由なのは明白なのである。

 元々小沢は、田中角栄元首相の秘蔵っ子であり、以前にもアメリカの高官との会談を拒否してアメリカを怒らせたことがあった。

 2月18日のヒラリー・クリントン国務長官と小沢代表との会談では、「同盟は従属であってはならない」「同盟国として本当に世界戦略を話し合って合意を得た上で個別問題に対応することが大事だ」「主張を交換して議論し合って得た結論を守っていく関係でないといけない。対等なパートナーシップがあって初めて同盟だ」と小沢は力説した。

 また「北朝鮮は核のカードを手放すとは思えない」、中国問題では「市場主義と共産主義は原理的に相容れず矛盾が必ず表面化する」、「アフガンでアメリカは勝てない」などアメリカ外交の誤りを指摘している。こうした小沢の対米自立の姿勢は、アメリカとしては受け入れられるわけがなく、この小沢発言への回答が今回の秘書の逮捕だったのである。

 小沢はまた2月25日に「日本が自分達の事を自分達でやる決意を持てば、米軍が部隊をそんなに日本に置いておく必要はなくなる。おおむね第7艦隊の存在で十分ではないか」と当然のことを語っている。小沢にしてみれば「日米同盟が大事であることを、ずっと以前から、最初から唱えてきた1人だ」とクリントン国務長官に語っているので大丈夫という気持ちがあったのかも知れない。

 しかしアメリカは今深刻な金融危機の中で苦しんでおり、できれば従属国である日本に米国債を50兆円ぐらいは買わせたいと考えている時であり、彼らは世界第二位の経済大国日本を手放さぬ決意をしており、しかも在日米軍はアメリカにとっては、日本を守っているのではなく、日本を支配し、自立させないための“ビンのふた”なのである。

 アメリカの陰謀の狙いは、日本の政権交代で、小沢民主党という対米自立の政権が生まれることを阻止することであり、小沢を失脚に追い込めば対米追随一辺倒の自公政権が不安定な形で延命するので自国の国債を買わせるのに都合がいいと考えているのである。ドル安傾向の下での米国債の購入は、日本がアメリカの借金を支払う事なのである。

 西松建設が海外の裏金7000万円を国内に持ち込んだことが発端だが、これだけの大金を動かせばCIAの網に掴まらない訳がないのである。

 小沢は、アメリカが現在「息つぎのための和平」の局面にあることを誤って理解していた可能性がある。オバマのアメリカの国際的協調路線は、経済的困難の中でのものであり、したがって一時的であり、世界覇権を永久に捨てたわけではないのである。

 アメリカにとって日本の政治的混乱は、日本経済の衰退につながり、したがって経済的に世界トップの地位をアメリカが維持できるので好ましいのである。つまりアメリカは支配従属関係を維持し、日本は引き続きアメリカの属国としてアメリカに貢献すればよいと考えているのである。

 3月4日に民主党の小沢代表は記者会見し「何らやましいこともない。適法にきちんと処理し、届け出て公にされている。」「強制捜査は普通の従来のやり方を超えた異常な手法。」と検察当局を批判した。これに対し小沢の会見を強く批判したのは自民党と共産党であった。まるで両者はアメリカの手先のようである。

 自民党は選挙が近付くと改憲のポーズを強め、これを受けて共産党が「9条は日本の宝」と主張して護憲を騒ぎ立て、結果自公の共闘の前に野党は分断され、自民長期政権が続く結果となっている。つまり共産党は自民の安全装置なのである。今回の小沢をターゲットにした陰謀で、衆院解散が早まる可能性が出てきたことを見ておくべきである。

 我々が今回の西松建設の政治献金問題がロッキード事件を想起させると見ているのは、田中と小沢が対米自立論者であったこと、特に田中は「日の丸油田」の買収を進めて、エネルギー面の自立を狙ったゆえにアメリカの陰謀で政治生命を断たれ、今また小沢が同様の運命にさらされている点を指摘しているのである。

 対米自立による日本民族の真の独立は、日本の国土から外国の軍事基地を一掃する問題であり、日米関係を、米国債を否応なく買わせる支配と従属の関係から対等の関係にすることであるが、この民族的課題は市民運動・民族運動の形で進めなければ、必ずロッキード事件の再来となって、アメリカによって粉砕されるのである。

 我々が市民運動として対米自立の民族的課題を追求しているのは、これ以外に方法がないと考えているからなのである。

 広範な日本の人々に対米自立の運動への支援(宣伝費用のカンパ)をお願いするものである。