No.92(2009年1月号から)

官僚の公金略奪を許すな!

4696の天下り先を廃止せよ!


 官僚の「天下り」根絶と「渡り」禁止が議論になっている。しかし、政府の進めている「公務員制度改革」が実効性を伴うのかは、誰もが疑問に思っているのだから、話にならない。昨年末に発足した政府の「官民人材交流センター」に「天下り」のあっせん(公務員の再就職のあっせん)が一元化されるのが2011年である。それまでの3年間を政令で「渡り」を認めている。

  麻生首相は、このあっせんの年間禁止を決めた。だがあっせんによらない「あうんの呼吸でやる」のは禁止ではないという? 「渡り」のルートが出来ているのだから、あっせんがなくても官僚が自動的に再就職する仕組みは残るのである。

 つまり形だけ「天下り」のあっせんを禁止しても何もならないのである。官僚のピラミッド型組織を維持するために、高級官僚などの早期退職制度がある。高額の退職金を受け取って「天下り」するわけだが、そのために官僚が作りあげたのが特殊法人・独立行政法人・公益団体などで、全部で4696もの法人が存在している。

 この法人を3年ほどで渡りを繰り返して、1人で3億円以上手に入れる者もいるのである。まさに官金横領、税金泥棒とも言うべきものである。

 このほか民間企業への「天下り」もある。日本の役所では情報の開示がルール化されていないため、役所の裁量でどうにでもなる。この裁量権を官僚が武器にして「天下り先」を確保する力にするのである。ゼネコンなどが公共事業の情報を得るため「天下り」を受け入れるようになる。「天下り」を受け入れていないとライバル企業に公共事業の受注で遅れを取ることになるからだ。

 つまり民間企業への「天下り」とは、退職後に受け取る「わいろ」の事である。こうして高級官僚と天下り官僚の手によって、日本は高速道路や空港や港湾等を造り続け、国家の借金を増やし続けているのである。まさに官僚が国家の寄生虫のように税金をむさぼりつくしているのが日本の姿なのである。

 寄生虫は官僚だけではない、「かんぽの宿」79施設の土地代・建設費2402億円を、郵政会社はわずか109億円でオリックスに売却しようとしていた。入札は偽装であり、しかもこの売却が成功するとメリルリンチ日本証券に手数料として6億円が支払われる契約を結んでいたのである。

 大阪の不動産会社が400億円で入札していたのに、わずか109億円でオリックスに売却する背後に寄生虫どもの画策が存在したことは想像に難くない。

 オリックスの宮内義彦は、小泉「改革」の「総合規制改革会議」の議長だったのである。

 またキャノンの大規模な工場建設プロジェクトに絡んで、重大な脱税事件が明らかとなった。大分キャノン工場の造成・建設など4事業は、受注総額約824億円であるが、これを受注した大手ゼネコンの鹿島から30数億円がコンサルタント会社「大光」に流れた。

  「大光」の社長はキャノンの御手洗冨士夫会長(日本経団連会長)の“側近”で、この「大光」の金がキャノンの株購入に充てられていたのである。したがって新聞報道では脱税の疑いとされているが、どう見ても御手洗の個人的裏金作りとしか見えないのである。

 キャノン大分工場には、県と市から莫大(約57億円と言われる)な雇用補助金が注入されている。この補助金を含む工事費から架空外注工事やコンサル料として大光などに流れて、キャノン株購入資金となったのである。

 朝日新聞によれば大賀社長は、国税局の調査や関係者に対し、「御手洗会長から“値上がりするのでうちの株を買う方がいい”と言われた」と説明したと言う。さすがに経団連会長を逮捕するわけにもいかず、手先の逮捕で幕を引くことになるようだ。

 自民党の長期政権の弊害で、日本の官僚・財界に拝金思想がはびこり、彼らが税金の寄生虫としてのさばるシステムが存在していることを指摘しなければならない。

 自社工場の建設をめぐる経営者の個人的裏金作りは、そこに補助金として巨額の行政の税金が注入されている以上、これも官金横領なのである。

 日本の新幹線建設費は、通常の2倍の額になっていると言われる。政治家の“口利き料”が巨額であるためだ。日本経済がダメになってきたのは、こうした支配層の寄生虫化と関連している。国家を導くべき立場の者たちが私腹を肥やし、拝金思想に取りつかれて、税金を横領することに熱中しているのだから憂うべき事なのである。

 こうした犯罪が大元まで追及されることがないのも日本の特徴だ。

 こうした政財官の腐敗の根絶には、政権交代が必要である。現在の日本の支配層の人材のおそまつさは驚くべきレベルの低さを示している。有能な人材が上に昇ることが出来なくなった事こそ、日本の本当の危機があるのかも知れない!