No.93(2009年2月号から)

国家財産の略奪である民営化の本質が露呈!

オリックスへの「かんぽの宿」格安・投売りの真相


  国家財産の略奪である民営化の本質が露呈! オリックスへの「かんぽの宿」格安・投売りの真相  報道によれば「かんぽの宿指宿」は、東京の不動産会社が2007年3月に評価額1万円で購入し、これを4ヵ月後に指宿土地開発公社に約1500万円で転売されていた。

 鳥取県岩美町の「かんぽの宿」は同じく1万円の評価額で不動産会社が購入し、6ヵ月後に6000万円で鳥取市の社会福祉法人に転売されている。

 「かんぽの宿」79施設の土地代・建設費が総額2402億円かかっているが、「郵政民営化承継財産評価委員会」がおこなった評価額は約300億円だった。これが134億7400万円に圧縮され、オリックス不動産に売却される時には109億円にさらに圧縮されている。これは不可解としかいいようがない。

 売却予定の79施設の内社宅9棟は都心の一等地で、ビルを建てれば莫大な利益を得られる土地である。残り70施設で最も評価額が高い「ラフレさいたま」は15億6700万円が評価額だが、この土地代と建設費は286億円だった。こうした投売りは、あまりにもひどい。

 この超低額の評価額を決めた「郵政民営化承継財産評価委員会」のメンバーにオリックスグループと関連のある会社役員が入っていた、というのであるから、疑惑を持たざるを得ない。

 「かんぽの宿」は2007年度の損益では約46億円の赤字を計上している。しかし経営努力で2008年度には赤字は27億円にも減少している。

 日持ちしないバナナの叩き売りでもあるまいし、経営が改善しつつあり、しかも不況で不動産価格が安くなっている時に、なぜ格安で投売りするのか?裏に不正があると見られても仕方がない。

 テレビ報道によれば、大阪の不動産会社が「かんぽの宿」79施設に対し400億円で入札に参加したが落札できず、オリックスに109億円での売却が決まったのである。

 これに対し、郵政民営化担当大臣だった竹中平蔵は、(1)「かんぽの宿」の処理が遅れれば年間50億円の国民負担が増大する。(2)オリックスの宮内義彦会長が議長の規制改革会議は民営化のプロセスに関係していない。と主張して「かんぽの宿」格安投売りに賛成している。

 鳩山総務相は、資産価格が落ち込んでいる時に急いで売却するのは適切ではない。オリックスの宮内氏は規制改革会議の議長を務めており「できレース」的である。としてオリックス不動産への一括譲渡に反対している。これは目前に迫った総選挙を意識して、麻生首相も「徹底的にやれ」と支持している。

 麻生首相は、小泉「改革」時の閣僚だが、「私は郵政民営化に反対だった」と議会で答弁している。これは選挙での郵政票を当て込んだ発言である。

 ところで「かんぽの宿」79施設の入札は、競争入札ではなく「企画提案コンペ」あるいは官僚が「企画・随契」と呼ぶものであったようだ。つまり国民の財産である「かんぽの宿」79施設は、官僚や政治家やオリックス不動産などが結託して略奪しようと企んだが、あまりにも格安の投売りであったため、マスコミに報道されることとなり、自民党が総選挙にマイナスとなるため“一時凍結”にしたと言うことである。

 日本郵政の西川社長は1月29日の記者会見で「疑いを持たれることは全くない、契約の白紙撤回ではない」と強調している。

 ところで小泉がアメリカ政府の手先とすると、竹中や宮内は、アメリカ金融資本(モルガンスタンレー等)の手先として外資が日本企業の資産を入手する際の“水先案内人”だったことは多くの人が認めていることである。

 アメリカ政府と金融資本が、自由化、民営化、規制緩和の政策(これをワシントン・コンセンサスという)を全世界に要求し、とりわけ日本の政策を小泉・竹中コンビで郵政民営化を誘導し、郵便と簡保の買収を狙い、日本の金融自由化で、日本の資金によって世界経済における一人勝ちを狙ったが、サブプライム債権の崩壊で破綻したのである。

 「国有企業の民営化」という政策は、元々国民の財産を略奪同様に奪い取る時に掲げるスローガンであることは、現在の中国の例を見れば明らかである。元々社会主義で資本家がいなかった中国の国営企業が、民間に売却されたその仕組みは、党の幹部が国営銀行から借金し、国営企業を買い取り、新興資本家になったものである。

 このため中国国営銀行は、貸出金の約50%が不良債権化していると言われている。同じように国家の所有する土地の払い下げを受け、住民を追い出してビルを建設して莫大な利益を挙げている、中国の新興ブルジョアの大半が不動産業であるのはこのためである。

 これらは中国共産党幹部による国有財産の横領である。同様のことが日本の郵政民営化で起きたということが「かんぽの宿」格安売却のカラクリなのである。

 したがって郵政民営化を推進した自公政権には、この問題を処理する資格はない、彼らに任せることは、泥棒に捜査を任せるに等しいのである。

 したがって「かんぽの宿」疑惑は、現野党の民主党を中心とした新政権の下で、不正の調査を進めるべきであり、国民の財産の略奪を企てた者を裁くべきである。