No.92(2009年1月号から)

雇用崩壊と国民経済疲弊の責任を問う!!

政権交代で対米追随一辺倒を転換せよ


   厚生労働省は昨年11月28日に非正規社員の解雇の調査を初めて公表した。この時約3万人だった解雇者数が、1ヶ月後の12月26日発表では8万5000人を突破することになった。まるで雇用崩壊と言えるほどの規模で「派遣切り」が進み、今ではさらに正社員のリストラが始まっている。厚生労働省が昨年の12月26日に公表した07年度労働者派遣事業報告では、派遣労働者として働いた人が過去最多の約384万人(前年度比19.6%増)に上ったことが明らかとなった。

 小泉「改革」の中で派遣業を製造業にまで解禁した結果、正社員の派遣への置換えが急速に進んだ結果である。

 資本金10億円以上の大企業が過去10年間で約32兆円も内部留保(利益余剰金)をため込んだことを見ても、低賃金の派遣社員の解禁がいかに巨額の利潤を生んだかを示している。この10年間労働者の賃金はまったく上昇していないことを見ても、大企業の高収益が労働者大衆の犠牲の上に成り立っていることは明らかである。

 わずか3ヶ月間で10万人近い「派遣切り」が明らかにしたのは、政府・自民党がさかんに吹聴した「雇用のセーフティーネット」が実際には何もなく、解雇され社員寮を放り出された派遣労働者がホームレス化している実態を見れば明らかだ。地方自治体への生活保護の申請も急増している。

 大企業が、景気のいい時の利益は独り占めし、不況になれば労働者と行政にツケを回している現状が明らかとなった。

 アメリカの指示に基づく小泉「改革」の「企業の高収益体質への転換」とは、非正規従業員を急増させ、不況になれば大量解雇で放り出すことであった。日本経団連(旧日経連)がさかんに吹聴していた「企業の社会的役割」とは何だったのか?ただの拝金思想をごまかすためのたわ言だったというしかないのである。

 今回の大量解雇のそもそもの発端は、アメリカの金融危機の波及で円が1ドル90円を一時的に割り込み、ソニーやトヨタなど日本の主要な大企業が、慌てふためいて、派遣の大量解雇を発表した事が、他の企業の追随を生んだものである。その後円は1ドル90円台に落ち着いたが「今なら便乗して解雇できる」とばかり、各企業が過剰な反応をした結果が今回の大リストラにつながったのである。

 “麻生空白政権”が景気対策を翌年に先送りした事も大きかった。

 今回の日本の経済危機の根本的原因は、政府がアメリカの言いなりになって金融の自由化を進め、ゼロ金利もあって日本の巨額の資金を海外の投資ファンドに流し込み、マネーゲームを煽り、その結果日本の貿易による黒字よりも海外への投資収益が上回るまでになり、反面日本国内への必要な投資が減少し、国民経済が疲弊したのである。つまり対米追随の自由化・民営化・規制緩和の政策が、アメリカ依存の日本経済の今日の危機を招くことになったのである。

 この結果、日本の環境投資(風力発電・太陽光発電・バイオ燃料分野への投資)の政策誘導の面で、日本はEUやアメリカに大きく立ち遅れることになった。

 国民を食わせるための新しい産業育成に遅れを取ったことは、政府・自民党の責任であり、対米追随一辺倒の結果というべきである。

 元々自民党は各界の既得利益集団(道路族など)の党であるために、新しい環境投資や、道路財源の一般財源化など、できるわけがなかったのである。政府・自民党が対米追随一辺倒であるがゆえに国家としての経済戦略が無く(安保戦略は在日米軍任せ)アメリカの言いなりになって資金を流出させ、国民経済を疲弊させた責任は非常に大きい。

 つまり、労働者と中小企業と地方(農村)が“割を食う”結果となっているのが今の日本の現状なのである。政府も企業も「思いやり」がなくなったのは「改革」による拝金思想の結果である。

 アメリカと欧州(EU)と比べ日本の金融的打撃はまだ軽いのであるから、次の衆院選で1日も早く政権交代を実現し、対米自立の必要条件を整える外交へと転換し、外需依存の経済を、内需中心の経済に転換するため、道路財源の一般財源化を進め、環境投資を集中的におこない、新エネルギー革命を実現する方向へ、日本の国策を公共事業中心から転換すべき時なのである。

 自公政権による対米追随一辺倒では、日本は経済的疲弊を続けることになりかねないのである。我々は、早急に衆院解散・総選挙で対米自立か、それとも対米従属かを争点とすべき事を訴えたい。

 今回の世界同時不況を、日本の対米自立の好機としなければならない。アメリカが今回の金融危機で一極支配の経済的基盤を失うことが確実である以上、世界は多極化の時代に突入するのであり、日本は多極化の時代の安全保障と外交を必要としているのである。