No.89(2008年10月号から)

全野党共闘を実現せよ!

危機突破の救国政府の樹立をめざす


   アメリカのサブプライム問題を発端とする大金融恐慌は、欧州に波及し、全世界を同時株安の負の連鎖に巻き込んでいる。

 金融自由化によるグローバリズム(新自由主義)の波は、アメリカ型の、自由放任の“欲望の資本主義”を空前の規模で「発展」させ、今やバブル経済は破綻し、信用は崩壊し、膨らんだ架空資本は急速に縮小している。

 アメリカ市場に依存する日本経済も、この荒波に巻き込まれており、日本の保険、銀行、証券会社などがサブプライム債券に投資した金はアワと消えゆく運命にある。しかも円高・ドル安の波は、日本の輸出企業に重大な打撃を与えつつある。

 アメリカ金融資本の“トバク経済”“カジノ経済”とも言うべきマネーゲームが招いた大金融危機と、対米追随の自民・公明の「改革」と称した悪政がもたらした破壊的な経済危機が今後何年にもわたって日本経済を苦しめることになる。

 日本は戦後最大の経済危機に直面していると言える。

 自・公連立政権は、「改革」の名で国民経済に打撃を与え、農村を疲弊させ、福祉を切り捨てて、あげく年金のズサン管理で重大な国民生活の危機を招いたにも関わらず、今後も政権を握り続け、利権政治を続けようとして、自民総裁選の“サル芝居”を演じ、権力の私物化である世襲政治家麻生による巻き返しを策している。

 彼らは国民生活の危機に対する救済策は何一つ持たず、あるのは利権の擁護だけなのである。自民党がおこなう総選挙対策としての“一時的バラマキ”に日本国民はだまされてはいけない。

 今日本は道路財源(10年で59兆円といわれる)に寄生する利権政治に終止符を打つことが何にもまして求められている。道路財源を一般財源化して福祉と環境に資金を回すべきである。

 自民党のアメリカ言い成りの追随一辺倒の外交の結果、日本は無条件降伏後60年以上たっても、いまだ民族的自立がかなわぬ状況にある。対米従属下のエコノミック・アニマル、これが戦後日本の本質である。日本企業のありとあらゆる偽装を見よ!彼ら経営者は拝金思想で頭が一杯で、国民生活などかまっていられないのである。

 なぜ自民党の一党独裁が60年以上も続いたのか、それは野党が「民族の自立」という民族的要求を掲げられなかったゆえである。日本が覇権国家アメリカの従属下にあった結果の平和を、押しつけ憲法のおかげと勘違いした結果なのである。

 アメリカの力が金融危機で相対的に衰え、彼らの戦略に日本の戦力を動員しようとしている今こそ、対米自立のみが日本の平和主義を守る道だということを宣伝しなければならない。憲法9条が日本の宝と信じる人達は、アメリカが押しつけた従属憲法を「平和憲法」と勘違いしているのである。

 アメリカは戦後の日本に、引き続き米軍駐留を継続するために、非武装の憲法を押しつけたにすぎず、したがって現日本国憲法は従属憲法であり、9条は従属条項にすぎないのである。

 もちろん国際貢献の名でアメリカが日本を自己の侵略戦争に動員しようとしている中では、日本は侵略的貢献をしてはならず、そのためにこそ対米自立が必要なのである。

 幸か不幸か、アメリカの金融破綻によって、彼らの一極支配は続けられず、巨大な軍事力を維持する経済基盤は危機にある。

 日本は今後、アメリカ政府が求める金融危機へのリスク負担に巻き込まれて、アメリカと“心中”する道を選んではならず、史上二度目の経済恐慌から日本国民の生活を守るための“救国政府の樹立”が何よりも求められている。

 民主党は、国連重視の小沢外交で、自民の対米追随一辺倒の外交を転換しようとしている。また国民生活重視の政治をやろうとしている。

 全野党は、民主党を中心とした国民生活の危機突破の救国政府の樹立めざし、目前にした衆院選挙において全野党共闘を実現すべきである。

 政・財・官のゆ着による既得利益集団の政治の私物化を終わらせて彼らの手から予算配分権を奪い取るべきである。そのためには全野党が「国民生活の危機突破」の一点で団結し、日本における本格的な政権交代を実現しなければならない、いつまでも護憲や9条といったピント外れのスローガンを掲げる時ではないのである。