No.85(2008年6月号から)

省エネ口実に労働時間の延長狙う経団連

サマータイム導入の危険 !!


   温暖化対策がテーマの1つとなる「洞爺湖サミット」に向けて、またぞろサマータイム制度推進の動きが出てきた。

 5月29日自民、民主、公明、国民新党などの国会議員でつくる「サマータイム制度推進議員連盟」は「サマータイム」を導入する新法案を今国会に提出する方針を決めた。

 この法案では、3月の最終日曜日の午前2時から10月の最終日曜日の午前2時まで、時計の針を一時間進める、というものである。

 日経新聞によれば同議連は5月29日の時点で約250人に達しているが、各党内には反対派もいると言われている。

 サマータイム推進派の黒幕である日本経団連は2005年2月から「オフィスや家庭でできる温暖化対策」などと言って、サマータイム導入を訴えてきた。経団連など賛成派の主張するサマータイム導入のメリットは、家庭や会社の冷房利用が少なくなるとしてCO2削減は年39万トン、さらには屋外で活動できる時間が増えるため、娯楽・レジャー・外食・宿泊などで消費が増えるとして名目国内総生産(GDP)を1兆1700億円押し上げるというものである。

 経団連が昨年夏におこなった試行では炭酸ガスの排出が「前年同月比で約5%減った」と言っているが、この数字を誰も信用していないのである。

 サマータイムは欧米を中心に70ヵ国で実施されているそうで、先進国で実施していないのは日本ぐらいらしい。日本でサマータイムが実施されなかったのには理由がある。それは日本の長時間労働、それもサービス労働がまかり通る状況では、サマータイムにすれば逆にサービス労働が増加し、CO2排出が増加しかねず、しかもサービス労働だから個人消費が増えないからである。

 つまり日本経団連の“欲ボケ老人”どもは、省エネを口実にしてサマータイムを導入して「サービス労働」を1時間延長して稼ごうと考えているのである。これによって労働者の睡眠時間は1日一時間短縮となり、寝不足から交通事故や、労災事故が続出する可能性があることを指摘しなければならない。つまりサマータイムの導入で不払い労働が増加し、経営者だけが“ウマイ汁”を吸うことが可能となるのである。

 日本経団連が「サマータイムで温暖化対策」などと言うのなら、その期間の残業をすべて禁止すべきであり、また名ばかり管理職のサービス労働分の割増賃金をすべて支払ってから言うべきであろう。

 日本の長時間労働の現状をそのままにしてサマータイムを導入すれば、1日当たり一時間サービス労働が増えて、その結果名目国内総生産が増加するのは当然で、それはすべて企業の利益になるだけで、個人消費が増えるわけではない。

 日本の特殊性を忘れてはならず、日本は欧・米とは違うのである。

 つまり経団連やその政治的代理人の言うサマータイムの「経済効果」や「省エネ効果」は何の根拠もなく、もし実施してCO2の排出が逆に増加すれば日本は世界の笑い者になるであろう。

 考えてほしい、サマータイムで1時間時計の針を進めても、1日24時間に変わりはない。家庭用照明が42.7万k?減少し、娯楽・レジャーで自動車照明が9.1万k?減少し、住居・電気・ガスの使用量が減るという事を信じる人がいるであろうか?しかも消費が増える、経済効果が1兆1759億円増だと言うのだ。

 我々は官僚や政府や財界がならべる数字がいかにデタラメかを、「後期高齢者医療保険」の保険料が安くなるというウソで、つい最近知ったばかりである。

 また夏と冬で時間が切り替わるたびに鉄道や航空のダイヤ変更などの作業が必要となる、したがって事故の可能性も出てくる。

 金属労協(IMF・JC)は「サマータイムで時短やワークライフバランスの改善につながる」と期待しているそうだ。バカではないか!サマータイムで時短が実現すると彼らが言うなら、それは経団連の手先であることを自白したに等しい。

 国民をだまして行なう企業の利潤の追求策は、小泉「改革」の学習効果で人々は痛いほど理解している。彼らは「早起きは三文の徳」などと言って、1時間余計に働くことを強制しようとしているのである。

 本当に省エネを考えるなら、企業の広告ネオンサインを夜8時以降すべて消せばいいのだ、TV放送を夜12時以降停止すればよいのだ。場合によっては月に1日全国のすべての電力を停止し、災害の訓練の日として全国民が電気を使わない生活を体験すればよい。

 長時間労働をそのままにしたサマータイム導入は危険であり、省エネの効果は無い、逆に寝不足で交通事故や労災が増加し、過労死を増加しかねない。

 経団連とその御用学者の主張するサマータイムの経済効果の欺瞞にだまされてはいけない。

 アメリカがやっているからといって、文化の違う日本でなぜサマータイムをやらねばならないのか?我々はサマータイム導入に断固反対する!