No.84(2008年5月号から)

急落する支持率、追い詰められる福田政権

残るは政党再編の謀略か?


  急落する支持率、追い詰められる福田政権  衆院山口補選で民主党前職の平岡秀夫氏(=社民党推薦)が自民党の山本繁太郎氏(=公明党推薦)に約2万票の大差で勝利した。

 共産党は自主投票で望んだが共産党票のほとんどが平岡氏に流れた。

 この補選は当初自民有利と見られていたが、道路・ガソリン税問題と「後期高齢者医療制度」の導入が人民大衆の怒りを呼び、保守王国と呼ばれた山口県で自民が敗北する事態となった。

 その後行われた朝日新聞の世論調査では、福田首相の支持率は18%まで低落し、支持しないが61.3%となり、政党支持率も民主が自民を上回ることになった。

 特に「後期高齢者医療制度」への大衆の反発が強く、補選を闘う自民党の山本陣営には、制度導入を決めた小泉・竹中が応援に入り「説明責任」を果たすべきだ、との声が相次いだ。

 福田首相は、09年度から道路特定財源を一般財源化する方針を発表したが、他方で10年間で最大59兆円を投入して道路整備を進めるための「中期計画」を強行採決するなど、国民の眼には道路族に支えられた首相の矛盾した言動が欺瞞策と移らざるを得ない状況になっている。

 福田首相は今や解散権を行使できる状況ではなくなり、民主党の小沢は「解散に追い込む」有利な局面を迎えている。

 自民党内には「後期高齢者医療制度を改正しないと選挙を闘えない」との声が強まり、ひたすら解散の先延ばしか? もしくは福田後の新首相での解散があり得るため、ポスト福田をめぐって麻生や小池などの動きが注目され始めた。

 人気のない福田首相には、もはや解散権はないと見られており、しかも自民党内を道路族が実権を握る中で、福田の言う一般財源化で国民をごまかせるものではない。

 今後の政局を見るうえで重要なのはアメリカ経済の景気後退と、中国の四川大地震の影響で中国経済が打撃を受け、オリンピック後のバブル崩壊と政情不安が強まる可能性があることだ。

 日本の二大貿易相手国(米・中)の景気後退を受けて、日本経済の不況が現実のものになれば、福田首相にとって最悪のシナリオとなりかねないのである。

 したがって自民党の解散の先送りは、一層の支持率の低下を招きかねず、今秋からの消費税論議もあって、自民党が総選挙で過半数を維持できる可能性は低くなったと言える。

 国民の多くが宙に浮いた5000万件の年金問題と、その年金から天引きを行う「後期高齢者医療制度」、さらには道路財源とガソリン値上げに怒っており、多くの人々が政権交代を望んでいる。

 自民に残された巻き返し策は、民主党内を分裂させ、小沢おろしを策動するか、政党再編の陰謀を仕掛けることである。

 民主党の弱点は、野合の体質で政治的陰謀に巻き込まれやすいことである。民主党は自民党の仕掛ける陰謀に警戒しなければならない。