No.81(2008年2月号から)

今こそ対米自立の民族的要求を掲げよ!

米兵による沖縄女子中学生暴行事件


   建国記念の日の2月11日夜、沖縄のアメリカ海兵隊員(38才)が14才の女子中学生を暴行し、強姦容疑で沖縄署に逮捕された。沖縄では1995年に小学生の女児が海兵隊員ら3人に暴行された事件が沖縄県民の怒りを呼び、在日米軍再編につながった経緯がある。

 今回事件のあった沖縄市では昨年10月アメリカ軍人の息子が強姦致傷容疑で逮捕されており、今年1月にも海兵隊員2人によるタクシー強盗致傷事件がおきている。

 福田首相はこの事件について「再発防止のためできるだけのことをしていく」と答弁したが、沖縄で何故米兵とその軍属の事件が繰り返されるのかを考えるべきである。

 沖縄駐留アメリカ軍は、兵士に対し「沖縄はアメリカ軍が血を流して占領した」と教育している。つまり戦後60年たっても在沖アメリカ軍は“占領軍”としての意識を持っているため米兵の凶悪犯罪がなくならないのである。

 民主党の鳩山由紀夫幹事長は事件について「海外の軍隊が日本の領土に平然として居続けるのは決して常識的な話ではない」と語って、政府に米軍基地縮小を求めている。

 問題の本質は、日本が戦後60年以上経つのに、未だにアメリカの従属国であり、数多くの米軍基地が日本の国土に存在しているということにある。とりわけ沖縄には日本にある米軍基地や施設の75%が集中している。

 沖縄の海兵隊は、アメリカの侵略戦争に真っ先に戦場に投入される“敵前上陸部隊”である。そうした常に死に直面した兵士が占領軍意識を持っているのだから、沖縄におけるアメリカ兵の凶悪事件はなくならないのである。

 今回の事件は沖縄県内各地の人々に強い怒りと抗議の声を高めており、県民集会の動きも出ている。また各自治体は次々に抗議決議を採択している。

 「米軍は出て行ってほしい」と怒りの声を上げる沖縄の人々の憤りの強さからみて普天間への新米軍基地建設に重大な影響を与えるのは確実である。在沖縄アメリカ軍が事件のたびに言ってきた「再発防止と綱紀粛正」は、なんの意味も無い。唯一の解決策が米軍基地撤去であるのは明らかである。

 日本政府はアメリカに媚へつらい、多額の米軍への「思いやり予算」や基地維持のための負担金を支払ってきた。このため在日米軍は、アメリカ本国に部隊を置くよりもはるかに安上がりとなっている。この日本の負担が米軍駐留を永続させてきた理由であり、したがって沖縄の米兵の犯罪の根本的な原因なのである。

 2月10日におこなわれた岩国市長選では、アメリカ空母艦載機部隊の岩国基地への移転容認派が勝利した。政府が米軍再編交付金を凍結したアメとムチの揺さぶりの結果であった。

 自民党政権は、戦後一貫して日本の対米自立を追求せず、対米従属の政策を取ることで民族の誇りを踏みつけにし、占領軍であった米軍に“思いやり”をかけてきたのである。民族的視点から見るなら自民党政権は売国・属国政権と呼ぶべきものである。

 自衛隊はすでにアジア一の質的戦力を保持している。アメリカに守ってもらう必要はない。つまり在日米軍基地は、アメリカの出撃基地であり、日本を守るためのものではない。

 福田首相は、国民に対し、いつまで対米従属を続けるのか、いつまで米兵の凶悪犯罪に我慢すればよいのか説明すべきである。

 いくら戦争に負けたとはいえ、敗戦後60年以上も外国の基地に占領されたに等しい状態が続くのは世界的にも珍しいし、恥ずかしいことである。政府の言う「同盟」とは「従属同盟」のことであり、アメリカに追随することである。

 日本の野党は「憲法9条は日本の宝」などと言って、アメリカが日本を長期に支配するための憲法9条の従属条項を天まで持ち上げている。はっきりさせなければならないのは日本の現憲法制定権力は占領米軍(GHQ)だという点である。

 自民党政権がこっけいなのは、日本を長期に属国にしておいて、愛国心教育を語ることである。愛国心教育を語るなら、日本を真に国家として自立させた上で、愛するに足る国家とした上で語るべきだ。

 沖縄県民の怒りに答えるために野党は対米自立・米軍基地撤去の旗を高々と掲げるべきだ。非現実的な非武装ではなく自主防衛を掲げるべきだ。アメリカが怖いので日本の政治化は「対米自立」を口にすることを誰もが避けている。

 沖縄の女子中学生暴行事件は、情けない従属国の虐げられた民衆の姿にすぎないのである。沖縄に米軍基地が集中しているために、沖縄は経済的発展を妨げられ、基地経済に依存する植民地的経済を今なお持っている。

 今こそ日本は、対米自立による平和主義の堅持を民族の目標として明確にさせるべき時である。