No.79(2007年12月号から)

日本の援助で軍事大国化進める中国

危険な地域覇権主義を警戒せよ!


   高村外相は、11月8日に外務省で記者会見し、中国への日本の途上国援助(ODA)の大半を占める円借款について、07年度の供与額を463億円と決め「これによって対中円借款を円満に終了する」と語った。

 日本の中国に対するODAが始まったのは1979年からで、円借款の総額は3兆1794億円に達している。このODAにプラスアンタイド・ローン(使途が特定されていない借款)を合計するとこれまでに6兆円以上の資金が中国に供与されている。

 この資金があって中国の経済発展の基盤整備がおこなわれ、また中国の軍事力増強が可能になったのである。ところが日本のこの巨額の援助が中国人民には一切明らかにされておらず、したがって感謝もされていないことは重大である。しかも中国政府はODAを日本の好意ではなく戦争賠償だと思っているフシすらある。

 今もなお中国人民に対して戦争中の日本の侵略行為を材料にした反日教育が中国全土でおこなわれていること、中国に進出している日本企業が進出先の共産党幹部などから「カンパ」と称するゆすり、たかりを受けて悲鳴をあげている点にも賠償として当然との中国側の考えが反映している。

 2005年5月には反日デモが暴動にまで発展した。現在は来年の北京オリンピックを成功させるために中国政府が反日デモを抑制しているだけで、反日教育の火種は今も温存されているのである。

 中国に対する外務省のODAは今回で終るとはいえ、日本が最大の出資国であるアジア開発銀行(ADB)の対中融資は、今なお増加の一途をたどっている。

 中国政府はこれらの資金で軍事力の増強を進めており、ミサイル原潜や空母を数隻保有する計画をも推進している。

 日本政府(外務省)の影響下にあるアジア開発銀行(ADB)はいったいどのような戦略を持って中国への資金援助を続けているのか日本の国民にきちんと説明すべきである。

 社会主義国が官僚支配の国家独占資本主義に変質し、やがて社会帝国主義となって軍事侵略へと進むことは、旧ソ連のチェコやアフガン侵略で証明され、また中国のベトナム侵攻で明らかとなっている。現在の中国が地域覇権主義であることははっきりしており、その矛先がどこに向いているかは、度を超した反日教育を見れば明らかではないか?!  中国政府が「日中友好」を言っているのは日本から金を引き出すためだけであり、それは軍事力増強の時間稼ぎにほかならないのは明らかだ。

 13億人の中国は、来年夏の北京オリンピックで民族主義の傾向を一層強め、軍事力増強に拍車をかけることになるであろう。

 中国は今、日本企業の技術を奪うことに躍起となっている。“竜”の牙がどこに向いているかも見ずに中国に進出した日本企業は、食い潰されることになるであろう。

 毛沢東は、日本人民も中国人民も日本軍国主義の被害者であると語って、戦争賠償を放棄したが、今の中国指導者達は、毛沢東を裏切った「走資派指導部」(修正主義)であり、彼らは拝金思想を背景に戦争賠償を狙っており、彼らの凶暴性に対する警戒心を日本は失ってはならないのである。

 官僚主義(一党支配)の修正主義国の危険性は、その政権の弱さを原因としている。名目的な社会主義、実際の資本主義が彼らの抱える矛盾であり、この矛盾によって旧ソ連は脆くも崩壊したのである。

 中国の党幹部達が国家財産を横領して新興ブルジョア化しているのであるから、その拝金思想に動かされて他国を侵略する方向に進むことは明白なのである。

 中国は毛沢東が「文革」という官僚支配打倒の「予行演習」を行った国である。しかも資本主義化で都市と農村、中央と地方の矛盾を拡大している中で中国人民が決起すれば走資派指導部が動揺し、外への侵略によって反動的民族主義を煽り、国内的危機を外的矛盾にすりかえる可能性は高いのであり、そのための反日教育なのである。

 アメリカは中国の動乱を機にユーゴ解体の方式で中国の解体を狙っており、日本は対米従属を続けるかぎり戦争に巻き込まれることになる。そのような危険な国に巨額の援助をおこない軍事力を増強させる日本は、なんともバカな指導者を持ったものである。

 中国に援助をおこなうなら反日教育の放棄と、日本の援助への感謝を国民レベルで明確にするよう求めるべきである。

 しかし現状は、逆に中国側に戦争への謝罪や靖国神社への参拝への抗議を一方的に受けているのであるから、従属国ゆえの戦略なき日本外交は情けないかぎりである。

 一日も早く対米自立によって民族の誇りを回復しなければならないのである。