No.77(2007年10月号から)

企業・官僚・政治家のモラルの崩壊を憂う!

既得利益集団の腐敗の構造を断て!


  生命保険会社38社の内、24社は10月5日、保険金などの不払いについて、2001年度からの5年間の調査結果を発表した。それによると保険金の不払い件数が約105万件、金額が約858億円、金融庁に調査を命じられた生保38社全体では中間報告の分を含め約120万件約910億円の不払い額となる。

  残りの10数社も11月末までに調査を終えることになっているが、不払い額が合計1000億円の大台に乗るのはさけられない。

  保険金を支払う契約を結んでおいて払わないのだから、これは業界ぐるみの詐欺行為である。

  また厚生労働省が06年度に偽装請負関連で企業を指導した件数が前年度の2.7倍の2646件に激増していることが、10月3日に発表された。残業代の不払い企業が約7割にのぼっていることと共通する問題である。企業に罰則が適用されないことが、企業の“やり得”狙いの違法行為が横行しているのである。耐震強度偽装事件や、鋼材偽装や賞味期限偽装など企業の犯罪は数えあげればきりがない。

  腐敗しているのは経営者だけではない、官僚が天下り先として作っている独立行政法人の「隠れ損失」が約6000億円にのぼり、繰越欠損と合計した損失は2兆2000億円に達することが、10月12日の日経新聞で報じられた。

  将来財政負担で穴埋めするのだから、これは官僚どもが税金を食い潰していることになる。林野庁の腐敗だけではないのである。

  社会保険庁が国民年金の保険料を「流用」した額が6兆7878億円にのぼることが、民主党の求めに応じて社会保険庁がまとめた資料で明らかになった。

  また「宙に浮いた」年金5000万件の納付された保険料は2兆3500億円に達していることが明らかになった。また中小企業の退職金365億円(49万人分)が未払いとなっていることも明らかになった。これらは国家詐欺と言えるものである。

  税金だけでなく、年金資金も“寄生虫”に食い潰されており、年金資金がいくら残っているかも不明なままである。そのため年金保険料を支払わない人が50%以上にのぼるのは、国民の貧困化の現れであるだけでなく、社保庁への不信の反映でもある。

  厚生労働省がC型肝炎に感染することが早くからわかっていたのに10年も血液製剤の投与を許したことを見てもわかるように、この国の官僚の腐敗・愚劣は話にならないのである。

  腐敗は政治家まで及んでいる。福田首相に公共事業受注建設会社が献金をおこなっていたことが明らかとなっている。また領収書を何枚もコピーし、宛名を書き直して使用していた例も多数明らかになっている。税金が政治資金として支給されているのだから、政治家も税金の“寄生虫”となっていることを示している。

  連日新聞紙上をにぎわす、こうした政・財・官の既得利益集団の腐敗は、戦後60年にわたる自民党の1党支配が生み出したものである。とりわけこの傾向は、アメリカ政府の470兆円の公共事業と「構造改革」の要求によって進められた企業の高収益環境を作り上げる過程で、支配層の腐敗が進行したと言える。この結果国家財政の赤字は700兆円を超える莫大な額となり、国民は貧困化し、日本は自殺大国となり、生活苦から借金して自己破産する人も急増している。

  派遣や請負など「労働力の流動化」(=反失業者化)によって年収100万円台の、いわゆるワーキングプアと呼ばれる階層が生まれた。

  労働者の資金レベルは今急速に低下している。貧富の格差、地方と中央・都市と農村の格差は拡大した。06年度の生活保護世帯は全国で107万世帯に増えた。

  これらは労働者・人民大衆を踏みつけにする政治が生み出したものである。

  ちなみに安倍前首相が親から受け継いだ遺産は100億円を超えていたそうで、政治家はそれほどもうかる“商売”なのである。

  日本が再生するためには、アメリカ言いなりの対米従属を前提とした既得利益集団の腐敗の構造を断ち切ることが必要なのである。

  税金に寄生し、国民を“食い物”にする政・財・官の既得利益集団のための自民党一党支配の政治に終止符をうたねばならない。