No.77(2007年10月号から)

沖縄県民の怒りの声を聞け!!

歴史歪曲に決起した約11万人の大県民集会


  先の大戦末期、軍民一致の総力戦を展開した沖縄で「日本軍が住民の集団自決を強制した」との記述が、高校日本史の教科書検定で削除された問題は、「歴史の歪曲を許さない」とする沖縄の人々の憤りを空前の規模にまで高めた。

  9月29日、沖縄の22団体でつくる実行委員会が主催した「教科書検定意見撤回を求める県民大会」は宜野湾市の海浜公園で開かれ、約11万人(主催者発表)もの人々が結集した画期的な集会となった。

  この県民集会は超党派でおこなわれ、参加者は95年の少女暴行事件に抗議する大会(約8万5000人)を大幅に上回った。

  集会参加者は会場を埋め尽くし、会場周辺にあふれ、会場への道路は人の列が続いた。沖縄本島36市町村から「歴史の歪曲を許せば再び戦争への道を進むことになる」との危機意識を高めた沖縄県民の新たな憤りが大きなうねりとなったものである。集会参加団体は参加希望者の急増で急遽バスを増車しなければならなかったという。

  また政府筋は「なぜあんなに大きくなったのか」と驚きを隠さなかった(毎日新聞)と言う。

  軍民一致して悲惨な地上戦の惨禍に見舞われた沖縄ゆえに、歴史を歪曲し、教科書を書き換える反動勢力の策動により敏感だったといえる。

  日の丸、君が代を強制し、9条改憲を策動し、歴史を書き換えて、侵略戦争を「正義の戦争」に修正しようとし、それを進めてきた首相が無責任にも政権を投げ出した。

  国民の目には、かつて沖縄の人々を守るべき日本軍が沖縄県民に集団自決を強制した無責任とそれが重なって映るのである。

  朝日新聞によれば伊吹前文科相は「大臣が検定に介入できるという道を私の代で開きたくない」と述べて検定に口出しできないとの考えを表明していたという。しかし衆院選を控えている福田内閣の渡海文科相は29日の県民大会を「あらゆる党派が参加されたことは重く受け止めている」と述べ、約11万人が参加した県民大会を方針転換の理由に挙げ、「日本軍が住民の集団自決を強制した」との記述の復活を含めた見直しを始めることとなった。

  朝日新聞によれば「日本軍」を削除するよう最初に意見書をまとめたのは文科省の教科書調査官であり、その意見書がそのまま審議会を通ったそうである。

  政府は検定意見の撤回とともに誰が歴史の歪曲を策したのか、きちんと調べて、総て公表すべきである。文科省の意見書が事実なら「政府自民党の歴史認識が『軍の関与』を教科書から削除させた」(民主党)と言われても仕方がない。

  教育を軍国主義復活に活用しようと、歴史教科書の「修正」(=歪曲)を策する反動勢力に対して、日本の国民はもっと危機意識を持たなければならない。沖縄県民が平和を守るという立場において、最も先進的な役割を果たしていることに学ばなければならない。

  それにしても歴史を歪曲するのが「愛国」であろうか?けっしてそうではない。

  沖縄に未だに多くの米軍基地があり、事実上の「植民地」状態にあることを1日も早く終らせ、アメリカの従属国から自立することが真の愛国だということを明らかにしなければならない。

  従軍慰安婦問題でアメリカ政府に謝罪するのではなく、被害を受けた人々にこそ謝罪し、広島と長崎への原爆投下を国際法違反であると素直に語れる首相を日本は必要としている。

  アメリカに要求されて自衛隊をイラクとインド洋に派遣することではなく、日本はアメリカにはっきりと侵略戦争をやめることを言える国であるべきだ。

  沖縄県民は約11万人もの大県民集会によって、日本国民の“平和ボケ”に警鐘を鳴らし、反動勢力の軍国主義復活の策動に見事に反撃したと言える。

  サンケイ新聞が今回の県民集会の実際の参加者が少なかったことを強調しているのは、人民大衆の行動が政治を動かすことに対する反動勢力の“嘆き節”もしくは“巻返し”と言えるものである。

  日本の国民はテレビや新聞の写真で沖縄の大県民集会の膨れあがった参加者を見て、沖縄県民の決起に拍手を送っているのである。

  福田内閣が実際に歴史歪曲教科書を元に戻すかどうか監視していかなければならない。