No.72(2007年5月号から)

「日米経済統合協定」の提案を警戒せよ!

日本経済の金融的支配狙うアメリカ


 日経新聞によれば在日米国商工会議のチャールズ・レイツ会頭(アメリカンファミリー生命保険会長)は4月19日、日米の経済関係を強化するため閣僚級の定例協議が必要との認識を示した。

 また自由貿易協定(FTA)を核とする「日米経済統合協定」に向けた交渉を提案した。報道によると「この協定は関税の撤廃、競争政策の強化やビジネス環境の整備を含む包括的内容にすべきだ」というものである。

 このことはアメリカが日本に経済の「構造改革」を押しつけ、その進行の中でいよいよ「日米の経済統合」で、アメリカ金融資本による日本経済の全面的支配を具体化しようとする狙いを示している。

 日米間の関税を撤廃すれば、日本の農業は成り立たなくなり、地方銀行や財務体質の悪い大銀行はアメリカハゲタカの餌食となり、日本の製造業は乗っ取りに合い、日本経済はアメリカに金融支配されることになりかねない。

 アメリカが「日米経済統合協定」を進めるにあたって「人間関係を深めるため」(チャールズ・レイツ)年1回の閣僚会議を要求しているのことは、彼らが日本の政治家を買収して、日本の政治を自分たちのためにコントロールするいつもの手法である。日本は日米安保条約によってアメリカの従属国となっているため、こうした手法が通用するのである。

 アメリカのグローバル化の戦略は、世界をアメリカ一人勝ちの経済に導く狙いがあり、日本がアメリカルールを全面的に受入れ、その下で「日米経済統合」を結べば、日本が現在在日アメリカ軍の駐留の中で軍事・政治的にだけでなく経済的にも日本の従属状態となることは明らかである。

 ブッシュと安倍は先の首脳会談で「かけがえのない日米同盟」を強化し、日本の集団的自衛権の行使に向け憲法解釈を変更し、日米の軍事一体化を進め、日本の戦略的取り込みを進めていることの経済面の反映が「日米経済統合」であり、その狙いは日本の全面的な従属国化といえるものであり、アメリカが日本の冨の略奪を狙っていることを示しているのである。

 すでに日本の資金が大量にアメリカ市場に流出しており、アメリカの株式市場は”バブル状態”となっている。アメリカ株式市場の崩壊やドル暴落によって日本のドル資産は大幅に目減りし、日本の銀行や大企業は多額の不良債権を抱えることになりかねない状況に陥っている。こうした状況で巨大な資本力を持つアメリカと経済統合協定を結べば、日本経済はたやすくアメリカに呑み込まれることになる。

 日本国民は、アメリカ系財界の「経済統合協定」に対する働きかけに呼応する日本側政治家の反民族的動きを厳しく監視しなければならない。

 アメリカによるイギリスの金融的支配を見てもわかるように、アメリカは同盟国を軍事的傘下に置き「自由化」「経済統合」の名で金融的に支配してきたのである。

 日本の政治家は「口利き料」に弱い、買収でアメリカにいいように操られてきたことは「構造改革」の経験が示すとおりである。自民党政権の下であの長銀(現・新生銀行)がただ同様にアメリカ金融資本に与えられたことを思い起さなければならない。

 アメリカの軍事一体化の下での「日米経済統合協定」による経済支配の野望を日本の経済人は最大限に警戒すべきである。日本の民族的利益を守ろうとするなら対米追随の政治を一新し、対米自立を選択するときが来ている。

 今日本の国家的脅威とはアメリカの脅威であって、北朝鮮の脅威ではないことを見抜かなければならない。