No.69(2007年2月号から)

北方領土解決の好機を逃すな!

ロシアとの関係改善で日本の戦略的弱点の克服を


 来年3月にロシアの大統領選がある。プーチンロシア大統領の任期があと1年ほどとなった。
 プーチン政権は、議会を支持勢力でほぼ独占し、国民の支持率も高く、かつてなく強力で安定した政権である。

 そのプーチンが「過去から残された日本との全ての問題を解決したい」と言明している。この大統領なら北方領土問題を解決する力がある。この機会を逃すと北方領土問題は半永久的に解決できないことは明らかである。重要なことは日本とロシアの双方に関係改善のメリットがあることだ。ロシアは東欧諸国と中央アジアをアメリカに侵食され、アメリカの急進的資本主義化の陰謀に引っかかって一度は経済破綻した。しかし最近の原油高で経済的・軍事的に力を回復しつつある。

 ロシアはシベリアの資源を開発し、経済を立て直すには日本の協力を必要としている。

 日本の戦略的弱点は、不安定な中東の石油に依存しすぎていることである。シベリアの資源は、日本のエネルギーの安定供給に欠かせない。双方が経済的に相手を必要としているのである。

 日本の防衛をアメリカに依存することは、米軍再編の日本の負担が約3兆円も必要となり、ミサイル防衛では10兆円以上も必要となる。もはや日米同盟路線は高すぎる防衛となっている。

 日本は敵を作らない多極外交で安上がりの安全保障を目指すべき時が来ているのである。

 EUの東方への拡大と統一通貨ユーロの地位の高まり、ロシア・中国・インドの台頭で世界は多極化に向かっている。とりわけアジアでは中国が地域覇権主義の野望を膨れ上がらせ、日本への領土的野心を強めており、尖閣諸島を中国領と言い始めている。今は北京オリンピックがあるので抑制しているが、反日の世論の準備もぬかりはない。

 北朝鮮と韓国の“反日”は強まるばかりである。しかしロシアに反日の世論はなく、経済的な相互依存関係を深めれば、かつての日ソ不可侵条約とは違って、双方にとって死活的なパートナーになりうるし、そのためにも北方領土問題を解決する最大の機会が訪れているのである。

 アメリカはイラクで泥沼に陥って膨大な戦費を消耗している。ドルは早晩暴落し、アメリカが国債通貨発行益を失えば巨大な軍事力を維持できなくなる。

 日本はアメリカがアジアから撤退する日が近いことを念頭に、多極外交に乗り出すべきであり、強力な力を持つプーチン大統領の任期中にロシアとの友好条約の締結を果たすべきである。

 日本がシベリア鉄道で中央アジアやヨーロッパと経済的に結びつくことは、ロシアの市場と資源と同様に戦略的価値がある。ロシアと中央アジアは地下資源が豊富で支払能力ある市場である。

 日本は対米自立の必要条件を整えていく“安上がり”の多極外交を必要としている。
 
 中国や北朝鮮や韓国は、日本をアメリカの属国(=軍事小国)にしておくことに戦略的利益を見出している。

 アメリカはこれら諸国の“反日”を利用して、日本の属国化を軍事一体化と日米同盟の強化として進めている。それはアメリカによる日本の国家予算の略奪なのである。

 私達は、日本民族は偉大な民族であり、いつまでも他国の従属国であってはいけないと考えている。
 日本は対米自立を目指して多極外交を展開すべきであり、その最初の外交こそ、ロシアとの戦略的関係を築くことであるべきだ。

 安倍政権は北方領土を解決する絶好の機会を逃してはならないことを訴えたい!