No.67(2006年12月号から)

外国勢力の政治家買収に道開く!

外資の政治献金解禁の意味


 12月1日、外資企業による政党への献金を解禁する政治資金規正法改悪案が、衆院政治倫理委員会で可決された。新聞報道によればわずか2時間余りの質疑を行っただけで採決されたという。賛成したのは自民・公明・民主・国民新の各党である。

 現行の政治資金規正法は、「主たる構成員が外国人もしくは外国法人である団体その他の組織から、政治活動に関する寄付を受けてはならない」と定めている。この規定によって外国人持ち株比率が50%超の企業(例えばキヤノン)が規制の対象となる。

 衆院の政治倫理委員会で可決された今回の法案は、株式上場している国内企業なら規制対象から除外する、としている。

 つまり外資企業でも日本で株式を上場していれば「政治献金」という名の買収を合法的におこなえることになる。

 日頃「国益」を主張する保守政治家とその政党が、外国・外資の日本の政治家への買収を合法化するということが何を意味するかを考えなかったのであろうか?

 外国勢力の「政治献金」を合法化すれば、彼らにつごうのいい法律がつくられていくことになりかねないのである。

 日本では過去にCIA資金が自民党などに流れていたこともあった。アメリカの従属国である日本は現状ですら、アメリカの圧力で政治が歪められ、旧長銀がアメリカ金融資本にただ同様で「売却」されたこともあった。

 現在日本の“ゼロ金利”と「改革」(これもアメリカの圧力の結果なのだが)によって、日本の巨額の金融資産がアメリカに流出し、外資がこの金で日本企業への国際ファンドを立ち上げ、日本企業買収に乗り出している。

つまり“日本の金で日本企業を買う”というアメリカ金融資本の戦略が展開され、すでに日本の株取引の60%が外資によるものとなっている状況の中で、日本の保守政党がこぞって外資の政治献金解禁に乗り出したのは“献金によって日本の政治に影響を与えたい外資(投資ファンド)”と“金もうけのために議員になっている保守政治屋”の利害と思惑が一致したと言うことである。

 日経新聞によればゴールドマン・サックスは、来年初めにも百億ドル(約1兆2000億円)超の国際ファンドを立ち上げ、日本企業などへの投資をおこなうし、モルガン・スタンレーも日本企業への投資額を今後2年間で500億〜1000億円に積み上げる方針だという。

 これらアメリカの投資ファンドは、「日米同盟の強化」と日米の軍事一体化の進行と、リストラ経営や減税で日本企業が高収益体質になりつつあるので、大規模な日本企業の買収に乗り出しているのである。先頃日米間で「企業の三角合併」(親会社の株と交換で日本企業を買い取る)に合意し、アメリカ金融資本の日本企業買収が本格化しようとする矢先に、外資の政治献金解禁の動きが“委員会採決”という形で表面化したことに日本の国民は警戒しなければならない。

 資本主義における政治が買収によって左右されることは常識であるが、外資に合法的買収の機会を与えるという政治倫理委員会の採決は反民族的行為として厳しく糾弾されなければならない。

 テレビコマーシャルの時代の選挙は金がかかり、したがって選挙の勝敗が資金力で決まる側面があるとはいえ、外資から「献金」をもらうために与野党が結託するという姿は“売国的野合”というほかないのである。

 外資企業からの政治献金を当てにする連中に「愛国心教育」のための教育基本法「改正」など語る資格はないと言わねばならない。

 議会における政党政治とは、政策をめぐる各階級間の利害調整をおこなうことである。今回の政治資金規正法「改正」の動きは、この階級間の利害調整に外国勢力の利害を持ち込むことにほかならない。

 しかも外資はケタはずれの巨大な資金力を持っており、外資の「政治献金」の合法化は日本の議会までも対米従属化する危険を指摘しなければならない。

 アメリカ金融資本の日本企業買収という大きなうねりの中で、今後日本企業の多くが外資の持株比率が50%以上となるのが確定的であり、したがってより日本の政治を左右したいとするアメリカの意図が背景にあるのだということは明らかである。

 日本の国益が外国勢力の政治「献金」で歪められることが、従属国日本では十分あり得る事をこそ国会で論議するべきことである。

 こんな与野党では、民族的誇りを背景にした対米自立の外交などできるはずもない。彼らは金のためなら民族的立場をも投げ捨てる連中である。

 民主党は、自公の安倍政権と対決する姿勢を示しながら、なぜこの法案に賛成したのか?国民に対して“きちんと”説明すべきだろう。民主党には自公の対米追随一辺倒に対して、民族的利益を守る立場を打ち出してほしかった。これでは来年夏の衆院選の勝利はおぼつかないのではないか!?