No.66(2006年11月号から)

対米追従の政治を転換せよ!

アメリカの日本経済“乗っ取り”を許すな


 今猛烈な勢いで日本から資金が流出している。日本の政策金利は0.25%と超低金利政策が続いているため、アメリカやEUの投資家が金利の低い円資金を借り入れ、金利が高いアメリカの債券などで運用している。この巨大な資金の流れで必然的に起きる円売りドル買いによって、今の円安が起きている。

 この円安のおかげで日本の輸出企業の増収・増益が続き、自動車や電機など大企業は売上高や利益が過去最高を更新するほどで笑いが止まらないほどである。これは円安による為替差益の上に輸出が増加しているからである。

 今年9月の「株式売買状況」(東証第1部)によれば外国人投資家を通じた株式の買いは約16兆8000億円で、全体の62%に達している。

 外資による日本企業買収が増加しているのである。

 これらの最近の日本経済の特徴が何を示しているかを深く考えなければならない。
 小泉「構造改革」で日本は公共事業削減を進め、地方交付税も削減し、規制緩和の政策を実施した。

 当然にも国内市場は狭まり、競争は激化し、巨大企業が弱小企業を倒産・廃業に追い込んだ。日本国内の資金需要は減少し、低金利であっても借りてはおらず日本の資金は金利の高い海外へと流れ出すことになった。今日本企業や金持ちの資金がアメリカの投資ファンドに流れ、その金で外資は日本の株式を買占め、日本企業を買収していくのである。

 つまり、アメリカの言いなりになって「改革」を進めた結果、日本の資金で日本企業が外資に安く買い取られつつあるのだ!これはアメリカによる日本経済「乗っ取り」であり、「円安で輸出企業の利益が増えた」と喜んでいるわけにはいかないのである。

 安倍首相は小泉「改革」で生じた中央と地方の格差是正を進めると言っている。つまり格差是正が公共事業削減や規制緩和のペースをダウンさせることであるなら、それは「改革」路線の修正であり、アメリカが黙っているとも思えない。

米中間選挙で共和党が敗北し、ブッシュは民主党との協調に転じた。米民主党はアメリカ金融資本の利益を代表している。民主党のブッシュ政策への影響力強化で、アメリカ金融資本の“日本買い”が激化する可能性は強く、そのため日本の低金利の継続が求められることになる。

 安倍首相が国益を守るのか、それともアメリカとの「協調」(=追従)を優先するのか注目される。
 安倍内閣の中から出ている「核保有論議」を肯定する主張は何を示しているのか?そもそも従属国には国家戦略が無く、したがって戦略的抑止力としての核保有の論議などできる訳がないのである。

 ではなぜ核保有論議を肯定するかの様な発言を重ねるのか、それは対米自立派を“あぶり出す”狙いかもしくはアメリカの反応を見るためであろう。

 日本は従属国であるため戦略兵器は現在一切保有していない。

 戦略爆撃機も通常弾頭の対地長距離ミサイルも、空母も、原潜も保有していない。運搬手段がない国が核を保持する論議をしても話にならない。「核保有論議」は対米自立によって日本が「普通の国」になることが必要条件なのである。

 ところが日本の政党からは対米自立の声は一切出てこないのである。日米同盟強化の自民・公明、アメリカが作った憲法(従属条項の9条)を守るという共産・社民、いずれも対米追従派である。そうなると「普通の国」を掲げ、国連重視の小沢民主党に日本国民の期待が集まることになる。

 アメリカの言いなりになって「構造改革」を進め、日本の金融資産と日本企業がアメリカに奪い取られるのを防ぐため対米自立を正面から掲げる政党が今求められている。対米追従一辺倒の自公政権では、日本の属国化は避けられないのである。

 しかし現状では自公の連立が強力で、野党の選挙協力ができないので政権交代は難しい。しかし我々は対米自立を掲げる“民族派政権”の誕生を待ってはいられない。

 対米自立の国民運動を先行して広げる意義を強調したい!