No.65(2006年10月号から)

サラ金業と癒着する“醜い政治家”金融族

貸金業法「改正」問題


 日本の高額所得ランキングの上位にサラ金会杜の経営者が顔を並べている。サラ金とはウマ味の大きい商売であるらしい! 消費者金融(サラ金)の「消費者信用団体生命保険」(団信保険)は、借り手の命を担保に金を貸す非人間的制度である。サラ金17杜の死亡保険金の受け敢り件数は約5200件で302億円の保険金を手に入れている。

 うち死因が判明した割合は47.7%で半分にも満たない。借り手の自殺によるものが4908件で43億円をサラ金会杜が資金回収したことになる。この割合から見ると年間約1万人近くの人がサラ金によって自殺に追い込まれていることになる。

 つまり「高金利」と「多重債務」と「過払い」が特徴のサラ金業界は、人民大衆の貧困と生命を利潤の源泉としているのである。

 日本の消費者金融には「グレーゾーン(灰色)金利」と呼ばれる29.2%もの高金利が認められており、サラ金業界は団体生命保険に借り手を強制的に加入させることで、この高利の資金回収を確実にしているのである。

 もちろんその影には借入れ者を強制的な取立てで精神的に追い込み、家を取り上げ、自殺へと駆り立てる暴力的“取立て屋”の存在がある。

 この高金利のグレーゾーン金利と、自殺大国をなんとかしようと「貸金業法改正案」が自民党と金融庁の間で検討が行われた。

 ところが、サラ金業界の“献金(買収)と”圧力”がこれをゆがめ、一時表面化した案は骨抜きとなり、グレーゾーン金利が復活し、すったもんだのあげく「業界保護」の名目で妥協が行われた。

 表向きグレーゾーン金利は3年で廃止(3年も延長)しかも「特例」として小額・短期の融資では25.5%の高金利が認められた。

 実質上の高金利の“抜け道"を残して「改革」と言えるだろうか? 疑問というしかない。

 いったい自民党の改正案取りまとめに対して、サラ金業界の“ワイロ”がどれだけ自民党金融族に流れ込んだのだろうか?

 これでは債務者保護どころか“サラ金業界保護”法案と批判されてもしかたがない。しかも当初の目的だった「多重債務」「自殺」「払い過ぎ」がなくなるとも思えない。

 後藤田正純内閣府金融担当政務官が「なぜ妥協が生じたのか理解に苦しむ」として抗議の辞表を提出したのは、あまりにも悪どい“やり口”だとの怒りからだろう。

 大手都市銀行にとっても“サラ金会杜”は旨味のある貸し出し先であり、このドル箱を手放すことをしたくなかったのであろう。

 サラ金会杜の暴力的取立てのこの“高利貸資本'は、日本の自殺大国化の“影の主役"であり、政治がこれを改革できずして「美しい国」等と言わない方がよい! 「改革」と言うが、金融資本やゼネコンや官僚の利権はすべて妥協ではないか!

 アメリカでは犯罪の急増で、保険会杜が「犯罪保険」で“ボロ儲け”している。弱肉強食の野蛮な資本主義とは、貧困や犯罪さえもが金融資本の利潤の源泉となるのである。

 もともと保険加入から1〜2年以上たつと、保険金を受け敢る際に死亡診断書などの提出が省略できる制度がおかしい。死亡者の中に資金回収のための殺人もあったのではないか? 政府は調査すべきである。

 “サラ金”とは無担保を“売り”にしながら、実は団体生命保険に加入させることで命を担保に取る悪高利貸のことである。その上彼らは法律違反の遅延損害金までとっているのだ!

 高い税金、高負担が人々を貧困に追い込み、その貧困ゆえに“サラ金業界”の“食い物”になっているのだ。人民にとって日本は「美しい国」どころか、情けない国になった。これが「改革」がもたらした現実なのだ。