No.59(2006年4月号から)

米軍への一切の資金負担を中止せよ!

アメリカによる日本の国家予算の分捕りを許すな!


 アメリカ軍の地球規模でのトランスフォーメーション(再編)のうち、在日米軍の再編の主な内容は以下の通りである。

(1)グァムに海兵隊の新出撃基地を日本の費用負担で建設する。

(2)中東から極東にいたる“不安定の弧”に対応する米軍司令部を神奈川県キャンプ座間にアメリカ本土から移転、同時に自衛隊司令部も同所に設置、米軍と自衛隊の一体化を推進。

(3)新滑走路が完成した岩国に、厚木基地の空母艦載機の拠点を移す。同時に給油部隊も配備する。

(4)日本が有事に米軍を運ぶ高速輸送艦を導入する。

(5)沖縄の米軍の練習場を本土に移転する。等である。

 当初にこれらの在日米軍の再編・基地の近代化に要する費用のうち日本側の負担は約1兆円と見られていた。ところがアメリカ政府の言いなりになる小泉政権のあまりの“忠犬”ぶりに、アメリカがつけあがり、今では日本の費用負担は総額3兆円にまで膨れ上がっている。

 例えばアメリカ政府は、沖縄海兵隊8000人のグァム移転に要する費用を、当初は29億ドルだったのが、日本政府に支出させることができると見るや港の整備から病院,基地周辺の道路建設から発電所まで、次々と増加し、35億ドル、76億ドル、最近では100億ドルまで増加し、あまりの吹っ掛けぶりにグァムの建設業者すらあきれるほどで、米軍側は、その積算根拠をいまだに示すこともできないでいるのである。

 しかも何をもって移転費用と言うのか?新出撃基地も移転費用になるのかも明確ではないのである。

 要するにアメリカは、自国の覇権戦略に基づく米軍再編を「移転」や「沖縄の負担軽減」を口実に、日本の国家予算を分捕ることでまかなうことを企んでいるのである。

 かつて湾岸戦争のときに日本の負担した1兆4900億円によって、アメリカ軍はサウジに巨大な基地を建設し、軍事力による石油支配を実現したのである。

 沖縄返還経費や湾岸戦争経費やSACO関連(沖縄関連)米軍駐留経費(思いやり予算)などの、これまでの日本の負担の総額は6兆5000億円を超えている。

 アメリカ政府は、日本の国家予算を“自分の財布”と心得ているのである。

 アメリカ政府の高官は「アメリカ軍は日本を守っているのだ、安全には金がかかる」と主張している。しかし実態はアメリカが日本を軍事力で従属下に置くことで日本の国家予算を搾取し、出撃基地を安上がりに整備し運営しているのである。

 沖縄のアメリカ海兵隊の兵力は現在イラクに派兵しているため1万2500人である。報告ではアメリカ軍は「沖縄には海兵隊員1万人を残す」と言っている。それなら沖縄の海兵隊の減少は、わずか2500人がグァムに移転するにすぎない。

 グァムへの「8000人移転」とはごまかしであり、「負担軽減」を口実に米軍のグァム建設費用を日本に出させようとの、アメリカのずる賢い企みなのである。

 わずか2500人のグアム移転のために、日本が巨額(8850億円)の負担をすることになる。それではつじつまが合わないので、移転の人員を8000人に膨らましているに過ぎないのである。

 アメリカ言いなりの小泉政権の下では、今後キャンプシュワブの新基地や岩国などの整備費用がどれだけ増大するか分からないのである。

 日本政府は、何をもって移転費用とするのか、新出撃基地も「移転費用」なのか? その積算根拠と支出の法的根拠を国民に明らかにすべきだ。

 参院外交防衛委員会は3月28日、在日米軍への日本のいわゆる「思いやり予算」(米軍駐留経費)に関する特例協定の2年延長を自民党、公明党、さらには民主党の賛成で可決した。

 「思いやり予算」で在日米軍の基地施設だけでなく、米兵家庭の電気代から野球場から体育館・プールまで、なぜ日本の予算を支出しなければならないのか?  なぜグァムに自衛隊の施設まで作らなければならないのか? アメリカは、グァムの「都市型戦闘訓練施設」で自衛隊を訓練し、アメリカのために働かせようとしているのである。

 アメリカ言いなりの歴代自民党政権の本質が、アメリカを付け上がらせていることは明らかだ!  このままでは、将来アメリカ本土の基地建設や、イラクやアフガンの恒久的基地建設費まで日本が負担することになりかねないのである。対米追随を続ければ、日本はアメリカに“骨までしゃぶられる”ことになる。しかもアメリカの侵略戦争の手伝いをやらされ,金だけでなく、“血を流す”ことを求められることになるのである。

 これはまさしく、亡国路線であると言える。もはや日本が戦後一貫して守ってきた“平和主義”を堅持するには対米自立を選択する以外ないことを鮮明にしなければならない。

 小泉政権の閣僚たちは、根拠のないグアム移転費用100億ドルのうち「5割負担」を口にしている。これでは3倍以上“吹っ掛け”ているアメリカ軍の手口にまんまとのることになる。

 日本政府は、本来日本に負担する義務のない一切のアメリカ軍のための予算の投入を即時中止すべきである。一方で増税や負担の増加で日本国民を苦しめながら、他方でアメリカ軍のためには、惜しげもなく大金を差し出すことは許されないことである。我々は“思いやり予算”の即時中止と、米軍再編のための一切の資金負担に反対するものである。

 我々偉大な日本民族は、アメリカに守ってもらわなくても、立派に自国を防衛することができると確信している!  何もアメリカに搾取・収奪されながら守ってもらわなくてもいいのである。日本の国民は「対米自立」の旗を高々と掲げなければならない!