No.59(2006年4月号から)

中国の脅威とはいかなるものか?

変質した一党支配の脆弱性から来る隣国の危険!


 かつての社会主義国が、党官僚支配の修正主義国家となり、その後資本主義を進めているロシアと中国で注目すべき動きが出ている。

 ロシアでは国家主義者のプーチンが「民営化」の名で国有資産を横領した新興ブルジョアを弾圧し、主要産業の国家管理を強めている。

 それは、旧ソ連崩壊後の急激な資本主義化が、ロシア経済を破綻させた経験から、国家のテコ入れで主要産業を再編・統合しようとするものである。

 ロシアでは共産党は解散したが、かつての党官僚らが社会主義的とも言える政策を取っているのである。

 中国ではト小平の市場経済化の推進、江沢民の「三つの代表」論によって、党官僚による国有資産の横領による新興ブルジョアへの転化が広がり、今や私営企業家(新興ブルジョア)の3分の1が党幹部となっている。

 もともと、全人民所有(国有)と集団所有(人民公社)だった中国で、新興ブルジョアが生まれるには国有財産を横領するほかない。

 江沢民の「三つの代表」論とは、本来労働者と農民の前衛部隊だった中国共産党を、超階級的な「人民の党」「民族の党」へと変質させ、国有財産を「民営化」と称して横領し、党幹部の資本家への転進を正当化するものであった。

 ロシアと中国の、現支配層の困難は、日々激化する人民大衆の“国有財産の横領”への非難に直面することであった。

 かつての共産党を解散したロシアの注目点は、プーチン政権のとる主要産業の国家管理の政策の中での新共産党との関係がどうなるのか、という点にある。

 中国では、一党支配の下での徹底した資本主義化によって“反転”の可能性がある。毛沢東は、かつて「物事は極まれば反転する」と言った。しかも党官僚支配を打倒する予行演習を「文革」の名で展開した。今後中国における経済破綻が「造反有理」(反乱には道理がある)の思想を復活させ、左からの揺り戻しを引き起こす可能性は高いのである。

 中国の現“走資派”指導者達は、このことがわかっているので一方でアメリカ覇権主義に膝を屈し、ワシントン詣でを行ない、他方で中国人民に“反日”の思想を煽って、反動的民族主義によって自分達への批判をかわそうとしているのである。

 つまり一党支配の中国は、国内的危機を外(日本)への侵攻によって切り抜けようとしているのである。ト小平時代のベトナム侵攻を見ても、中国の地域覇権主義の正体がわかるのである。

 要するに日本が直面する中国の脅威とは、中国が一党支配の走資派指導部によって「社会主義」の名で資本主義をやり、党幹部が国有財産を横領している変質した「社会主義体制」の脆弱性から来る危険なのである。

 旧ソ連が崩壊したように、変質した社会主義は、建前が「人民の国家」ゆえに、人民の決起に対する脆さが特徴なのである。こうした中国を隣国に持つ日本が、非武装中立で国を守れるわけがないのである。

 アメリカ覇権主義が日本の戦略的取り込みで野望を実現しようとしている時、この戦争路線に追随する危険もまた、日本の平和にとって“脅威”と言えるものである。

 民主党の小沢新党首が「中国もアメリカも覇権主義でよく似ている」と語っているのは正しい。アメリカは世界覇権を狙い、中国は地域覇権主義であり、この両者は将来対立することになる。したがって両者の戦争に巻き込まれないようにするには、日本は対米自立による平和主義を貫くしかないのである。

 小沢民主党が、小泉の対米追随一辺倒に対して、“多極外交”を提起できるかどうかが注目点である。