No.59(2006年4月号から)

米産牛肉の輸入再開圧力に屈するな!

一大不買運動の準備を進めよう


 米国産牛肉の輸入再開を巡る日米両政府の専門家会合が3月28日・29日に行われた。

 同会合では、米国の二つの牛肉処理施設で危険部位である背骨が輸入牛肉に混入した問題について、米側は「特異的な事例」と主張した。日本側は、検査も行われていなかったずさんな施設に、日本向けの輸出を認可した米政府の判断について「当時の認定手続きに問題はなかった」(道野厚生労働省輸入食品安全対策室長)と理解を示した。

 米食肉施設の検査官は、日本の輸入条項は何も知らず、パソコンで一日中ゲームをしていて実際の検査は何も行われておらず、3月13日には香港で、米国からの輸入牛肉に骨の混入しているのがみつかっている。

 牛海綿状脳症(BSE)対策の日米両政府で合意された輸入条項が守られなかったことに対する、両国政府の認識には大きなずれがある。

 日本政府は、国民の食の安全・安心に関わる重大な問題として再禁輸したのに対し、米政府高官は「1万台の輸入車の内1台に欠陥が見つかったからといって、組織的な問題と言えるだろうか」(ジョハンズ米農務長官)「近い将来までに解決できないと、議会がしびれを切らし、貿易戦争のような事態になりかねない」(シーファー駐日大使)といった調子である。明らかに問題を軽視しているばかりか、貿易摩擦と理解してるにすぎない。したがって、米政府は、食肉の検査態勢の見直しや骨混入の再発防止策や、日本向け輸出条件の周知などの対策を取る気はない。

 彼らの頭にあるのは日本政府に圧力を加えれば禁輸を解除するという考えである。ジョハンズ米農務長官は、今なお「米国産牛肉の安全性には不安がない」との態度を取っている。彼らは「日本の安全管理が厳しすぎる」との不満すら持っているので、「日本の禁輸は過剰反応だ」との発言が米政府高官や米議会から出るのである。

 日本の全頭検査と、0.7%しか検査しないアメリカの牛肉の安全性が同等だ(食品安全委員会)というのは無理があり、とても「科学的」とは言えない。

 日米両政府間で合意した輸入再開を押しつける強引なやり方は、誰もが納得いかないのである。

 米通商代表部の報告書は、今回の背骨混入が「対日輸出基準違反だが、安全性に問題はない」と主張している。しかも日本政府がこのアメリカの主張を受け入れて、輸入再開へと動いていることは極めて重大である。

 小泉首相は6月に訪米を控えているので、それまでに米産牛肉の輸入を再開するという結論が先にあるのだ! 小泉は前回の輸入再開の時にも食品安全委員会に輸入再開の結論と責任を“丸投げ”した経緯がある。

 3月31日付で食品安全委員会のプリオン専門調査会の12人の委員の内6人が辞任したことは、こうした政府の対米追随的な対応への抗議であると言える。いかに日本が米国の属国であるとはいえ、国民の食の安全を無視した小泉首相の無責任は、厳しく糾弾されるべきである。

 初めに輸入再開の結論が決まっているなら、いかに米国の検査がずさんであるかが明らかとなっても結論は動かないであろう。

 米国政府が、米産牛肉が「安全」だと主張するなら一度全頭検査を行って、その安全性を検証すべきである。これが本当に科学的な態度というものである。

 米国政府が、何ら安全性を担保する処置をとらず、強圧的に輸入再開を押しつけるなら、日本の国民は、米産牛肉の輸入が再開されると同時に、全国的な一大不買運動によって反撃するしかない。

 米産牛肉が売れなければ、国内産牛肉のラベルを貼って売られるであろうから、不買運動は国産牛肉にもおよぶことは避けられない。

 我々は、対米従属の不当な現れである危険な米産牛肉の輸入再開に対して、一大不買運動を全国的規模で巻き起こす準備を進めることを広く呼びかけるものである。

 日本の国民は、対米自立無くして食の安全・安心はないことを知らねばならない。