No.56(2006年1月号から)

靖国参拝を政治利用する“バカ首相”

今こそ孤立外交を多極外交に転換せよ!


 小泉首相は1月4日に念頭の記者会見を行い、靖国参拝について次のように語った。

 「靖国参拝の問題は外交問題にしないほうがいい」靖国に参拝することを「日本人からおかしいとか、いけないとかいう批判は、私はいまだに理解できない」「まして外国の政府が一政治家の心の問題に対して靖国参拝はけしからんということが理解できない」「精神の自由、心の問題について政治が関与することを嫌う言論人、知識人が私の靖国神社参拝を批判することは理解できない」「まして外国政府が心の問題にまで介入して外交問題にしようとする姿勢を理解できない」こんな調子で小泉は5回も「理解できない」を繰り返した。

 世間には、小泉のように相手の主張を「自分が理解できない」ことを理由に自分の正当性を主張する人が少なくない。「自分が理解できないから相手が間違っている」と主張する人を世間では“身勝手な人”とか“独善的な人”というのである。小泉は実は「理解しようとしない」人間なのである。

 小泉の記者会見の翌日の朝日新聞社説は「これほど理解力が足りない人が内閣総理大臣を続けていたのだろうか、そう思いたくもなるような光景だった」と評した。

 靖国神社は国のために亡くなった人を祀っている。しかい「A級戦犯」と呼ばれる人達は戦死したわけではなく、本来靖国に祀る人達ではない。

 少なくとも彼らには国を亡ぼした責任があり、その責任を戦勝国に問われた「戦犯」である。この「A級戦犯」を合祀して政治に利用している連中が悪いのである。

 小泉はこれらを承知の上で現首相として靖国参拝をおこない、アジア、とくに中国や朝鮮の人々の心を傷つけている。

 小泉が自分の“心の問題”だけを主張してアジアの人々の“心の問題”を無視していることこそ身勝手であり独善である。

 小泉の「靖国の問題は外交問題にしないほうがいい」といいう主張もおかしい。小泉は2001年の自民党総裁選にのぞみ、日本遺族会の支持を得る必要から靖国参拝を公約として掲げた。自分が政治の問題にし、しかも首相になって年1回の参拝を強行したことで靖国が「外交問題」になったのである。自分で外交問題にしておいて「外交問題にしないほうがいい」と主張するなら小泉首相はまず自分の言動を自己批判してから言うべきではないか。

 国のためにと国を亡ぼす無謀な戦争を指導し、国民をを公祀することは、ミソもクソも一緒にする行為である。その靖国神社に首相が参拝することは、憲法上も誤っており、日本人であるなら反対するのは当然である。

 小泉首相が自分の理解力のなさを正当性の根拠にすること自体が“日本の恥”と言うべきだ。

 首相は靖国参拝への中国や韓国の反発に「心の問題であり」「理解できない」と語った。アジアの人々の心の痛みを理解できない人に「精神の自由」や「心の問題」を論じる資格があるだろうか?!  小泉は昨年の11月16日に「日米関係が良ければ良いほど、アジア諸国と良好な関係が築ける」と語った。しかし事実は小泉が対米追随すればするほど日本外交は孤立し、“八方ふさがり“となっている。日本の安保理常任理事国入りの共同提案国になったアジアの国はモルディブ、ブータン、アフガンの三国だけであった。日本はアジアの孤児になりつつある。

 アジアにおける“ドル支配”を維持するため、「東アジア共同体」を目指す動きが統一通貨へと進むことを阻止するために、靖国を利用し、東アジアに対立関係を構築することが、アメリカに託された小泉の役割なのである。その結果日本はアジアで孤立し国益を損なうことになる。

 戦争の口実をでっち上げて軍事覇権の道をすすむアメリカに、どこまでも追随する小泉外交は、日本を世界の“孤児”へと導くものである。

 小泉は自己の売国性をごまかし、愛国者を装うために、あろうことか靖国を政治の道具にしているのである。

 今世界の趨勢は多極化と経済のブロック化である。アメリカの一極支配はイラクの泥沼化で崩壊しつつある。今こそ日本は対米自立を目指して多極外交を展開し、自立の必要条件を整えていくべきである。

 在日米軍のトランスフォーメーション(再編)に協力し、米軍のために2兆円を負担しようとし、米軍と自衛隊の軍事一体化を、国民になんらの説明もなく推進する小泉は、まさしく売国奴である。

 金融自由化に続いて郵政民営化を進め、米国債とドルを多量に買い支えて、日本の金融資産をアメリカに上納する小泉は売国的政治家と評する以外にない!  しかも“ポスト小泉”が、同じ売国右翼で対米追随の安部だというのだから、日本の危機は救いようがない。

 昨年の翼賛選挙の圧勝で、自民党は小泉のゴマすりばかりになった。野党の民主党まで「対案提起路線」と称して国民を裏切り、小泉にすり寄っている。

 小泉が「靖国を外交問題にするな」と言いながら外交問題化にしている詭弁を、誰も真っ向から批判しないのはどうしたことか?! 小泉政治の特徴は詭弁でアメリカのために政治をやっていることだ! アメリカを恐れて小泉批判を展開できない“へなちょこ政治家”が多すぎる。

 アメリカは産軍複合体の国であり、戦争を生業(なりわい)としている。しかし日本は戦争で利益を受けることはない。

 自分の理解力のなさを外交の根拠にするような“バカ首相”が“世界一危険なバカ”と評されるブッシュに追随するのは、かつての三国同盟によく似ている。「世界の中の日米同盟」(小泉)とは日本にとって危険極まりない“亡国の道”なのである。