No.53(2005年10月号から)

アメリカ産牛肉輸入再開の策動糾弾!

全国的不買運動で反撃を!


 アメリカで牛海綿状脳症(BSE)発生が確認されて以降輸入停止となっているアメリカ産とカナダ産の輸入再開圧力が激化している。アメリカ議会での対日批判の続出、対日報復の動きなどが活発化しているのを受けて食品安全委員会のプリオン専門調査会(座長吉川泰弘東大教授)は10月4日、「食肉への汚染の可能性は非常に低い」と評価し、生後20ヶ月以下の牛に限って検査なしで輸入することの安全性を認める方向で大筋合意し、11月にも輸入再開の正式結論を出すことを公表した。

 同調査会の役割は、小泉政権がBSEが表面化した場合の政府責任を回避することにある。

 したがって輸入再開への結論は始めから決まっていたのである。

 注目されるのは、同調査会がBSE検査を全頭行なっている日本と比べ、0.7%しか検査していないアメリカ牛の方が感染牛が「日本より少ない」と分析していることである。しかも「病原体がたまる脳や脊髄などの特定危険部位もすべて除去」とか「胃や肝臓など内蔵は危険部位が適切に除去」という条件付で汚染が「非常に低い」としていることである。

 0.7%の検査で2頭のBSE牛が発見され、しかもアメリカの飼育頭数が日本の20倍なら、アメリカには2800頭のBSE牛がいることになる。

 「危険部位がすべて除去されていれば」とか「除去されているとすると」といった前提条件付きで安全性を語るのは国民を欺瞞するものである。しかも肉質による判定で20ヶ月以下の牛とどうして判断できるのか? 疑問は残っている。

 アメリカでは飼料として牛の肉骨粉が今も市場で売られているのである。日本の全頭検査の方が非科学的で、アメリカの0.7%の検査の方が安全と主張するには無理がある。

 食品安全委員会の輸入再開に向けた合意には説得力がまったくないと言わざるを得ないのである。つまり、食品安全委員会は圧力に屈したのである。食の安全を犠牲にして……。

 このような状況でアメリカ産牛肉の輸入再開を行なえば、薬害エイズやアスベスト被害と同様の結果を招くことになるであろう。

 しかも輸入再開してもアメリカ産牛肉は売れず、したがって国産レッテルを貼って売るものも出てくるため、国内産牛肉まで売れなくなる可能性がある。

 日本政府には食の安全・安心を守る義務がある。責任逃れの食品安全委員会への“丸投げ”ですむわけではない。対米従属下では食の安全・安心は守れないのである。

 もし政府がアメリカ産牛肉の輸入再開を強行するなら、日本人民は全国的な不買運動で反撃しなければならない。