No.50(2005年7月号から)

米の単独行動主義に反対する非同盟諸国

反米で団結する発展途上国


 カタールの首都ドーハで6月13日、非同盟諸国外相会議が開催され、同15日からはアジア、アフリカ、中南米から132カ国の発展途上国が参加する「G77・中国」(77カ国グループ)の第2回首脳会議が開かれた。

 報道によれば非同盟諸国外相会議では、アメリカの単独行動主義が武力による威嚇をもたらし国際法に反していることを指摘し、「国際法の侵食・違反、武力の行使と威嚇、特定の国による一方的な制裁を含め、圧力と強制をもたらす単独行動主義を拒否する」との共同宣言を採択している。同宣言はさらに「多国間主義への関与と多国間主義の促進、強化の重要性」を強調している。

 また「G77・中国」の首脳会議では、先進国との自由貿易交渉や貧困克服事業の推進にあたっての共通戦略を打ち出し、「国連改革」における多国間主義の確認を打ち出し、国連の民主化を訴え、国連総会に正当な権限を与えるべきだと強調した。

 非同盟運動の議長国であるマレーシアのアブドラ首相は、「非同盟運動と“G77・中国”が緊密に協力して、途上国の地位を前進させよう」と呼びかけ、とくに「アフリカに特別の注意を払う」よう求めた。アブドラ首相は、アフリカにおける対外債務の軽減、紛争の解決、平和の確立、持続可能な開発の促進、飢餓と貧困の除去、疫病対策などで真剣な共同の努力を訴えた。

 かつて中国の毛沢東が「三つの世界論」にもとづいて発展途上国の団結を訴えて以降、アジア、アフリカ、中南米諸国は非同盟運動を通じて団結を拡大し、今や“G77・中国”の参加国は132カ国となり、国連における圧倒的多数派を形成している。

 国連で完全に孤立しているアメリカは、国連を無視して単独行動主義でイラクを侵略し、主権を侵害している。このような時に発展途上国が団結し、アメリカの単独行動主義に真っ向から国際法違反として反対を表明したことの意義は大きいものがある。

 現在の国際政治地図は、一方でイラク戦争に反対するEUと発展途上国が進歩・平和の勢力を形成し、他方アメリカとその手先が反動的侵略勢力を形成している。

 国連の常任理事国の拡大は、発展途上国とりわけアフリカと中南米にも常任理事国を割り振るべきであり、この「国連改革」に反対しているのはアメリカと中国である。野心を持つ両国とも自国の影響力が相対的に縮小することを恐れて反対しているのである。

 国際政治におけるアメリカ覇権主義の際立った孤立が現在の世界情勢の特徴である。アメリカ覇権主義はEUの政治統合と発展途上国の反対という前後の敵を受けている。これに対し、ブッシュ米政権は、一国ごとに自由貿易交渉を進めることで中南米やアジア諸国をドル経済圏に囲い込みを狙い、EUに対しては属国であるイギリスを使ってEU内の対立を煽り、反米的な国々(イラン、シリア、北朝鮮、キューバ等)に対しては露骨な軍事的恫喝をかけている。

 すでに事実上反米国際統一戦線が形成されており、覇権をめざすアメリカは世界の石油支配を狙っているものの、イラク泥沼化の中で自己の力不足を認識させられている。

 ブッシュの日米同盟の強化は、米・英・日の現代における“三国同盟”とも言える反動的同盟であり、それは彼らが国際政治上で包囲されていることに対する巻き返しと言えるものである。

 しかしブッシュの困難は彼ら自身が日本を属国下に置くために押し付けた憲法9条とその「改定」手続き上の困難に直面していることである。したがって彼らは日本を戦争に動員するために、日本政府の集団的自衛権に対する憲法解釈を変えさせようと策動している。

 ネオコンとブッシュの野望を打ち砕く上で、対米自立による平和・中立の日本をめざす運動が、世界平和の課題にとって重要な意義を持っていることをはっきりと認識しなければならない。

 保守勢力の対米自立無しの憲法9条の「改定」は、アメリカの戦争に自衛隊が動員されることであり、日本を亡国へと導く道であることを鮮明にしなければならない。

 日本の自主憲法の制定は、対米自立の後の課題であり、自立なしに自主憲法などできるわけがないのである。

 対米自立なしに日本の平和路線を守ることはできないのである。

 日本は再び世界を敵にまわす愚を繰り返してはならないのである。