No.49(2005年6月号から)

在日米軍の「思いやり予算」をやめよ!

対米自立で平和・中立の日本を


 来年3月末で在日米軍駐留経費の日本側負担、いわゆる「思いやり予算」に関する日米特別協定が期限切れとなる。2005年度予算では日本の在日米軍駐留費負担は2322億円で、このうち特別協定分は1391億円が計上されている。

 この日米特別協定は5年ごとに結ばれており

(1)日本人基地従業員の労務費
(2)在日米兵の光熱費と水道料
(3)訓練の移転費が支出されている。

 日本の対米従属は、アメリカに押しつけられた非武装と戦争放棄の憲法と“セット”となった米軍の日本駐留によって形づけられ、政治的には日米安保条約によってその従属的地位が規定されている。

 他国の軍事基地を自国に設置する場合、普通は受入国に駐留する側が地代などを支払うのが一般的である。ところが日本は駐留費用まで支出させられているのである。

 それでも米ソの冷戦時代なら旧ソ連の軍事的脅威が大きかったので「思いやり予算」への批判も少なかった。ところがそのソ連が崩壊し、中国がアメリカに膝を屈して市場経済化を受け入れ、市場とエネルギー面での戦略的脆弱性を深めているので脅威ではなくなり、口先だけ勇ましい北朝鮮も経済的破綻で政権維持も危うい下では北東アジアにおける日本への軍事的脅威は皆無となっている。

 アメリカのラムズフェルド国防長官が「中国の軍事力増強」をことさら強調するのは自国のアジアへの軍事的プレゼンスを正当化するためにほかならない。

 ベトナム戦争時の中国は防空部隊をベトナムに派兵し、経済的にも支援したが、アメリカのイラク戦略では中国は“借りてきたネコ”のようにおとなしかった。

 今の中国は毛沢東時代の中国ではない。反米も国際主義も、第3世界論も投げ捨てて、アメリカのグローバル化の“申し子”になっている。

 ネオコンの主導するブッシュ政権は“中国の一党支配の脆弱性”とそのユーゴ化を戦略目標として持っているが、イラクの泥沼化でそれは棚上げ状態になっている。

 いまブッシュが小泉と結託して進めているのは今年2月に2プラス2で合意した日米の共通戦略目標で、日本を米戦略に取り込み、日米の軍事一体化を進め、日本有事・北朝鮮有事・台湾有事に対する役割分担を含む「共同対処計画」を進めることである。

 ラムズフェルド米国防長官は「中国は周辺に脅威がないのに軍拡を進めている」と批判している。

 しかし、同様の論理から脅威がないのになぜ日米軍事同盟の強化が必要なのかアメリカは説明していない。

 日本における脅威とは主にアメリカが北朝鮮を敵視することでつくりあげたものであり、北の核を口実にアメリカは何兆円もする「ミサイル防衛」(MD)システムを日本に売り、「国際協力」や「復興支援」の名で自国の戦略の道具にしようと企んでいるのである。

 アジアに真の脅威がない今こそ在日米軍基地の撤去に向けて、在日米軍駐留費用の削減、とりわけ根拠のない「思いやり予算」を廃止すべきである。

 米陸軍の第1軍団司令部を神奈川県のキャンプ座間にアメリカ本土から移転する計画の狙いは「思いやり予算」にあり、米本国に置くよりも日本に置いたほうが安上がりであるからだ。

 小泉首相の「日米同盟の強化」「世界の中の日米同盟」の路線は国民になんら説明がされておらず、それは小泉の売国性を示すものである。

 小泉は靖国神社参拝によって周辺諸国を挑発して、脅威を演出し同時に愛国的民族主義者を装っているのである。靖国参拝を自己の政治資本にしている右派政治家はいずれも親米派であり売国派であるのが特徴である。

 戦後60年も経ち、アジアに脅威がないにもかかわらずなぜ莫大な駐留費用を日本が負担しなければならないのか?政府は国民に説明する責任がある。

 日本は今や最悪の侵略国家となったアメリカに追随する事をやめ、自立する事で平和・中立主義に基づく「通商立国」を目指すべきである。

 アジア情勢から見て小泉の「日米同盟強化」は不要であり、アメリカの戦略に日本を組み込むことは具体的には自衛隊の米軍との一体化による侵略部隊化であり、亡国路線であることを鮮明にしなければならない。

 北朝鮮と中国の反日による“恫喝外交”が日本の右傾化に手を差しのべている事実を指摘しなければならない。

 北朝鮮の“日本人拉致”と中国の日本敵視教育と“反日運動”が日本の侵略国家化に利用されているため日本の平和勢力はかってない困難に直面している。

 中国と北朝鮮は、日本の人民を恫喝することで日本をアメリカの属国のままにして置こうと考えているように見える。しかし実際は「日米同盟の強化」は日本をアメリカの戦争勢力に加担させることで中国と北朝鮮に禍を招くことになるであろう。

 日本の国内には憲法9条を守れば平和主義を守れると勘違いしている人たちもいる。

 「9条の会」を全国で作って憲法9条を守っても集団的自衛権の解釈を変えれば日本はアメリカの為に戦争できるようになることを知らなければならない。

 平和を守りたいと考えている日本人民は、いまこそ対米自立を掲げるべきであり、日本の米軍への「思いやり予算」を含む駐留経費負担をやめる事で米軍基地撤去につなげ、日本の米軍出撃基地化に終止符をうつべきである。