No.43(2004年12月号から)

日本を米覇権戦略に組み込む小泉

海外派兵型「新防衛大綱」を決定


 政府はアメリカの要請にこたえて自衛隊のイラク派兵の延長を決定し、続いて12月10日にはアメリカの覇権戦略に基づく在日米軍の「変革」に対応する「新防衛計画の大綱」と「中期防衛力整備計画」を閣議決定した。

 「新防衛計画の大綱」の特徴は第一に日本防衛を主たる任務とするこれまでの原則に加えて「海外活動」をも自衛隊の「本来任務」に位置付けていることである。

 特徴の第二はこれまでの「専守防衛」の原則を変え、北朝鮮や中国軍の動きを「重大な不安定要因」として、新たに「脅威対応型」の構想を原則としていることである。

 第三の特徴はこれまでの「抑止力」という考え方から、テロや大量破壊兵器の拡散への「対抗力」へのシフトを打ち出していることである。

 以上の特徴点を踏まえて、装備面では航続距離の長い輸送機(CX)8機の導入や、C130輸送機に空中給油機能を付与すること、さらには「敵基地攻撃能力」の保有を目指した長射程精密誘導弾(=巡航ミサイル)の開発・研究費を盛り込もうとした(公明党の反対で今回は見送りとなった)こと、相手の防空レーダーに対する電子妨害装置の開発費が盛り込まれたこと、などは「脅威対抗型」「海外派兵型」「テロへの対抗力」を強化する構想を反映しているのである。

 ブッシュ政権は、ソ連崩壊後の条件の中で中東の石油を握ることで世界覇権を打ち立て、加えて地球上から一党支配の国を一掃することを目指しており、イラクが片付けばブッシュは北朝鮮と中国の政権解体で歴史に名を残す計画を持っている。

 とりわけ、イラク占領統治の失敗で力の限界を知ったアメリカは世界第二の経済力を持つ日本との支配従属同盟を自己の覇権戦略に動員しようとしている。

 アメリカの要求で小泉が進めている郵政民営化は、資金面からの戦略補完であり、350兆円の資金を郵便・簡保から銀行へ、銀行から米国債へと日本の資金略奪を狙っているのである。昨年小泉政権がアメリカのために33兆円のドル買い支えで、アメリカに資金を提供したように、アメリカは資金と軍事力の両面で日本を利用しているのである。アメリカの要求で進められている9条改憲は、自衛隊のアメリカによる活用のためのものであり、決して日本の自立につながる改憲ではないのである。

 日本をアメリカの属国として固定化する上で、アメリカと北朝鮮は裏でひそかに結託しており、それゆえアメリカは北朝鮮のミサイル開発は問題にせず、核開発だけを問題にしているのである。北朝鮮のミサイルは、日本にミサイル防衛を導入させる“てこ”の役割を果たしている。

 アメリカがならず者国家である北朝鮮を許しているのは、油田がないというだけでなく、その反動的存在が日本の米戦略への取り込みに利用できるからにほかならない。

 アメリカの属国として、アメリカの戦争政策に追随して世界の利権にありつこうとする小泉や財界の売国反動派どもは、自分達の私的利益のために日本の自立という民族的悲願を投げ捨て、しかもそのことを「国益」などと偽っているのである。

 アメリカとの「一蓮托生」の“戦争の道”は、日本を亡国に導くものであり、「新防衛計画の大綱」や改憲はその具体化にほかならない。

 日本の対米自立こそ“平和の道”であることを広く宣伝しなければならない。