No.41(2004年10月号から)

戦略なきパフォーマンスと米追随の小泉政治

孤立の小泉第2次改造内閣


 朝日新聞が9月29日に発表した小泉改造内閣の発足に伴う全国緊急世論調査によると、小泉首相が内閣の最重点の政策課題としている郵政民営化について「一番力を入れてほしい」と答えた人は2%に過ぎず、「年金・福祉問題」を挙げた人は52%、「景気・雇用問題」に一番力を入れてほしいと答えた人は28%、「外交・防衛」が9%だった。

 第2次改造内閣は「郵政民営化実現内閣」(小泉)と言われているが、国民が望んでいるのは年金・福祉なのである。したがって国民の42%が内閣改造を評価しないと答えているのはその反映である。

 しかも内閣改造と党役員人事で冷遇された自民党の各派閥の幹部の不満と怒りは強いと言われる。

 党内の支持も、国民の支持もない内閣がなぜ存続できるのか? その理由は一つ。アメリカの強い小泉支持があるからである。

 日本とアメリカの金融独占は、郵政民営化による郵貯と簡保の個人金融資産(350兆円)の略奪を狙っている。

 国内的に小泉政権がやったのは、アメリカの要求に応えて市場開放、規制緩和によって経済の弱肉強食化を進め、大企業と大金持ちのための政治、とりわけアメリカのための政治を推し進めたことである。

 それによって日本の資金の略奪と日本経済のアメリカ金融資本の支配が拡大しているのである。

 外交面では「自衛隊のイラク派兵によって対米関係でかつてない高い点数を稼いだ」(ニューズウィーク誌)と言われている。

 しかしその他の面では成果らしいものはなにもない。アジア諸国が進めている地域統合も日本抜きで進められている。北朝鮮には食料援助をしても拉致問題は何も前進しなかった。日中関係は小泉の靖国参拝による挑発で3年間も首脳会談が開催できないでいる。

 世界最大のODA援助国なのに数少なくなったアメリカの手先としてバカにされており、実現性のない常任理事国入りや北方領土返還や北朝鮮訪問もパフォーマンスだった。

 小泉外交はブッシュにシッポを振るだけで戦略がない。政治的パフォーマンスとわかりやすいワンフレーズだけで、いつまでも人々をだますことはできない。

 小泉が歴史に名前を残すために進めている郵政民営化もその必要性を国民に説明することはできない。アメリカと日本の銀行による資金略奪のねらいを正当化して説明することは不可能というものだ。

 小泉「改革」とは既得利益・権益の再配分であるため、既得利益集団と対立せざるを得ない。しかもその既得利益集団とは自民党の支持基盤であるため、小泉はアメリカの支持を背にして党内での孤立の中で進めざるを得ない。したがって小泉「改革」とは常に彼らとの妥協であり、パフォーマンスで終わる例が多いのである。

 橋本派の1億円献金隠し事件によって、反小泉勢力は金縛り状態で結束して動くことができないそうである。

 今後2年間は選挙がないので、小泉改造内閣は、(1)郵政民営化、(2)消費税増税、(3)年金改悪、(4)9条改憲などの筋道をつけることになる。

 したがって国家戦略なきパフォーマンスとアメリカ追随の小泉政治に、日本の人民が求める政治は期待しようもないのである。