No.39(2004年8月号から)

武器輸出3原則の見直し提言

急速に進む日本経団連の反動化


 5月27日の日本経団連第3回定時総会で会長の奥田(トヨタ自動車会長)は、彼らが「経済社会の抜本改革の必要性を訴えて」きたことを強調し、日本経済の先行きに明るさが見え始めた理由として、金融の不良債権処理、小泉構造改革が成果を上げ始めたこと、さらには中国などの需要拡大をあげ、その上に「わたしは企業が“守りのリストラ”を終えて、それぞれ“攻めのリストラ”に全力を傾けたことが、もう一方の要因になっているのではないかと考えています」と主張した。

 我々労働者の言葉で言い換えれば、労働者の首切りを進め野蛮な搾取化を進めたことが、企業の利益を増大させ景気を回復させた要因の一つと言っているのである。

 7月20日には、日本経団連は軍需産業を発展させる視点から提言「今後の防衛力整備のあり方について」を発表した。

 この提言は、政府が日本の中長期的な防衛力整備計画の方針を定めた防衛計画大綱と中期防衛力整備計画の2004年度中の見直しを閣議決定したことを受け、産業界としての基本的な考え方を示したものである。

 同提言は「わが国周辺でも、朝鮮半島におけるミサイル、核開発などの脅威が顕著となった」ことを理由にし、またアメリカにおける武器技術の飛躍的な進歩と「多国間の共同開発の動きが強まっている」ことを口実に、武器輸出3原則等の輸出管理政策により「わが国だけが世界に取り残されつつあり」などと言って武器輸出禁止と宇宙の平和利用の原則の見直しを打ち出している。

 新たな市場として武器・兵器や軍事衛星に、日本経団連が重大な関心を示していることに注目しなければならない。

 彼らはアメリカが日本に要求しているミサイル防衛(MD)システムの導入を、武器輸出解禁のチャンスにしようとしている。

 従属国である日本が武器輸出を開始するには、アメリカの承認が必要で、現在進めているMD共同開発も武器輸出3原則を見直さないと配備段階に進めないことを暗に主張することで、アメリカに日本の武器輸出を認めさせようと考えているのである。

 彼らは明らかに“死の商人”を目指しているのである。

 7月21日にはアーミテージ米国務長官が「憲法9条が日米同盟の妨げの1つになっている」という認識を表明するや、奥田は7月23日の記者会見で、開催していた夏季セミナーでは出席者の中に「徹底的な護憲派はいなかったと思う」自分を「改憲論者と思ってもらってよい」と語ってアメリカにシッポを振った。

 奥田は、政府の産業構造審議会会長であり、交通政策審議会や社会保障審議会、さらには経済財政諮問会議など5つの委員を兼任している。このように財界のボスどもが政府の政策審議会の委員をいくつも兼職している。

 日本経団連が先に政治家買収費としての政治「献金」を再開したのも、自分たちの政策をやらせるためのものである。

 独占資本の頭目どもが買収という手段で国家を思うように操り自分たちの利潤追求のための政策を自分で提言し、やらせているのである。今日ではその狙いが武器・兵器や軍事衛星の輸出にあるということである。そのためには憲法9条も邪魔になるのである。

 日本経団連のこうした反動的姿勢は、彼ら大企業がすでに多国籍企業化し、海外権益を守り、拡大するまでになっていることの反映である。

 対外権益を守るために必要なのは軍事力とそれを支える軍需産業であり、それらを法的に保障する法整備である。非武装を規定した9条は不要というのが彼らの考えであり、自衛隊をアメリカの戦争に動員したいアメリカとこの点では一致している。しかし、この道は必然的に経済の軍事化の道であり、軍事侵略戦争へと進むことになる。

 日本の平和主義を踏みにじろうとする日本経団連の9条改憲、軍需産業化のための武器輸出解禁の策動に反対しなければならない。