No.35(2004年4月号から)

米による金融資本の一方的略奪!

日米関係の本質は支配従属関係


 4月5日付けの朝日新聞は、日米同盟関係が「摩擦から“凪”の関係に」なり「株・財政支え合う日米」の「運命共同体の様相を強めている」と報じている。

 それによると一方で03年にアメリカから日本に373億ドルの資金が流れ込み、それで日本の株価が1万1800円台に上昇し、他方同年に日本政府が32兆8000億円の円売り、ドル買い介入をおこない、このドルで米国債を買っている。というのである。

 竹中経済相は「日米は敵対ではなく、共通の基盤を持つもの同士になった」と語り、日本は「外からの“友達のプレッシャー”も重要になる」とアメリカの内政干渉である外圧を“友達のプレッシャー”と擁護している。

 日米関係は本当に支え合う「友達」(竹中)の関係に、運命共同体の関係になったのであろうか?  著名な評論家の副島隆彦氏は、最近出版の「やがてアメリカ発の大恐慌が襲いくる」という本の中で「日本は400兆円もの米国公債を無理に買わされている」「日本国民の大切な資金がアメリカに流出するように仕組まれている」と批判している。

 それによると日本国政府が買っている米国債(外貨準備)の7倍から8倍の約400兆円もの米国債を日本は買っているという。

 竹中の言う「友達」のプレッシャーで、日本はゼロ金利を押し付けられて、現在年率で4%近い日米の金利差があり、これが原因となって日本からアメリカに膨大な資金が流失しているのである。

 副島氏によれば (1)日本の「外貨準備高」とIMFや世界銀行等に資金を供給するために長期に預けているお金を合わせて120兆円から140兆円が米国債及び米ドル建ての金融資産になっている。

(2)トヨタや松下、ソニーなどの日本の大企業が100兆円ほど米国債を中心に運用している。

(3)日本の大手の金融機関(いわゆる機関投資家)銀行・証券・生保が合計で100兆円ぐらい米国債に投資している。

(4)日本の大金持ち達がアメリカに資金をうつし、米国債で運用をされているのが100兆円である。

 以上の(1)から(4)を合わせて400兆円以上もの資金が日本からアメリカに流失しているという。

 日本政府が言うように、この400兆円には利子がつく、現在米国債の金利は4.2%であるので約17兆円の利子が付いている、しかしこの数ヶ月で1ドル120円から105円に12%以上円高となったので役48兆円ぐらい為替差損が出ている。差し引き30兆円以上日本はアメリカに搾取されたことになる。つまりドル安がゼロに向かって続く以上、アメリカは元本を返す必要はなく、事実上日本の400兆円はアメリカ政府への上納金なのである。

 日本政府が昨年度に32兆8000億円の円売りドル買い介入をおこない、ドルを支えたのは、日本の大企業と金持ちのドル資金を目減りさせないようにするためであるが、同時にアメリカに同額の円を供給して、米金融資本に日本株購入資金を供給することにあった。

 これによって外資による日本株購入が増加し、日本の株価は1万1800円へと上昇し、この結果日本企業は今年度は株式評価損を計上しなくてもよいことになった。三菱電機は02年度に約500億円株式評価損を計上し、新日鉄は450億円も評価損を出したが今年はそれがなくなったという。

 こうした日米関係を朝日新聞は「米国マネーが日本経済のアキレス腱だった株安を回復させ、日本マネーが米国の財政赤字の副作用を和らげるもたれ合いの関係だ」という、しかし日本株を買うための米国マネーとは日本政府のドル買い介入で日本が供給したのである。しかも日本が購入した米国債は売りたくとも売れないのである。

 売ればドルは暴落し、日本のドル資産は消えるのである。つまりアメリカだけがドル札を印刷してものが買え、ドル安誘導すれば借金(米国債)を返す必要もない国なのである。

 かんたんに言えば、日本の資金400兆円は米国債という形でアメリカに上納し、アメリカの金融資本は日本の株式をただで手に入れているのである。

 日米関係が運命共同体でない証拠に、ドルが崩壊すれば日本は破産するが、アメリカは日本に借金を返す必要がなくなるのである。

 逆に日本が破産してもアメリカは借金の穴埋め役を失うだけなのである。つまりこうした関係は、竹中のいう「共通の基盤に立った」「友達」とか「同士」とは言えないのである。

 日米関係は小泉や竹中が言う「支え合う」関係ではなく、一方が他方の金融資産を一方的に収奪する支配と従属の関係なのであり、「日本がアメリカの財政を支え、アメリカが日本の株価を支える」というのは部分的・一面的なごまかしの論理であり、こうした論者はすべて売国奴であり、アメリカの手先と断定できるのである。