No.32(2004年1月号から)

元旦アピール

今こそ反戦・平和・自立の運動を展開しよう


 人類の歴史は、国家が熱病に犯されたかの様に“暴走”し破滅するまで戦争に突き進むことがある。マケドニアのアレキサンダー大王や蒙古やローマがそうであり、戦前の日本がそうだった。

 「大東亜共栄圏」を掲げ後発の帝国主義として植民地の再分割へと侵略に突き進み、あげくは自国と100倍も生産力の高い大陸国家=超大国アメリカに戦いを挑み、350万人もの国民を死なせ、国土を焦土と化したのであった。

 一般的に国家が暴走を始めるには内的要因と外的要因がある。内的要因とは経済危機が深刻化して国内の不満が高まり、戦争特需への願望が国内に生まれること、外的要因とは、市場と資源をめぐる列強の争奪に遅れまいとする衝動のことである。

 ナチス・ドイツの快進撃に驚き遅れまいとして「三国同盟」に飛びついたのも二つの要因があった。ブッシュの“暴走”も覇権維持と国内エネルギー枯渇の二つの要因が背景にある。

 2004年を迎えた日本の状況はどうだろうか?バブル崩壊後12年間に渡って不況が続き、「改革」の名で弱肉強食の経済に突き進み、農業と中小企業が破滅に瀕している。戦争特需への願望と外への野心が生まれている。

 例えば、日本経団連は「交易立国」を掲げて「日本発の技術や資本を海外に投入し、それを使って日本はもとより世界中で生産を行う」(経営労働政策委報告)という、グローバルな経済活動への野心を表明していることに現れている。

 こうした背景があって小泉は、国連を無視したブッシュの戦争政策と他国に「敵か味方か」を迫る二極主義に驚いて、日米同盟重視(口実は「人道支援」)でイラクへの自衛隊派兵に踏み切ったのである。

 自民党は改憲の具体的手続きを定めた「国民投票法案」を今年の通常国会に提出し、成立を目指す方針を決定した。小泉が「自主憲法制定」を主張している中曽根を引退に追い込んだのは、彼の改憲がアメリカのための改憲、すなわち自衛隊を米国の手駒として使うための9条改憲=「従属改憲」であることを示している。

 小泉首相は調子に乗って、元旦の靖国参拝を強行した。それは参拝することで自己の売国の正体を隠そうとしているのか、それとも戦死を美化し神道を侵略の道具とするためかであるにちがいない。

 日本売国独占がブッシュに追随して、世界市場への野心を高めても対米従属の下では、世界の基軸通貨ドルを持つアメリカの一人勝ちのシステムの結果としてアメリカだけが“あまい汁″を吸うことになるのである。

 重要なことは、侵略者が惨めな敗北に終わることを歴史は教えており、“暴走”をはじめたブッシュに追従することで、日本の軍国主義化に拍車をかける危険があることである。

 ブッシュの「反テロ戦争」は、支持基盤である産軍複合体と石油資本の全地球的野心(=覇権主義)に支えられており、「中東の民主化」を掲げて2015年まで戦争を続けることを、ブッシュ政権の政策的柱としての“ネオコン″は主張している。

ブッシュ政権内のネオコンの閣僚は一人として辞任しておらず、ブッシュの戦争路線は今も継続している。

 キッシンジャー博士は、イラクのテロは今年前半最高潮を向かえ、後半には沈静化するといっている。

 歴史の法則が超大国にも当てはまるかが試されている。キッシンジャーは「イラクはベトナムと違って支援する国がない」「ジャングルではなく砂漠だ」としてベトナム化しないと語っている。

 しかし、愚かなブッシュは、イラクの隣国のイランとシリアをも敵視しており、隣国からの支援が行われる可能性が出ている。

 小泉は泥沼化しつつあるイラクに危険を承知で派兵するが、それは自衛隊がアメリカの手駒として今後も使われることを意味している。日米安保条約は全地球的規模の従属軍事同盟となったのである。

 イラク派兵が日本の軍事的暴走にならないように、いまこそ労働者・人民の反戦・平和・自立の運動が求められている。

 小泉政権の対米従属のイラク派兵と9条改憲に反対し、反戦・平和・自立の運動を発展させよう。