No.31(2003年12月号から)

詭弁の政治家小泉の無責任な決断!

対米追従のイラク派兵決定を糾弾する。


 政府は12月9日の臨時閣議で、イラク復興支援特別措置法に基づく自衛隊のイラク派兵の基本計画を決定した。  イラクへの派兵人員は陸海空で約1000人、派兵期間は1年である。

 イラク特措法が成立してから4ヶ月、この間小泉首相がアメリカのイラク戦争を支持し、自衛隊派兵の理由にした「大量破壊兵器」は見つからず、侵略の口実としてのデッチアゲだったことが明らかとなり、戦争の道義への疑問が広がっている中での決定である。

 イラク人民の反侵略の抵抗が拡大、激化する状況にあって米国内だけでなく、全世界で反戦運動が高まり、ブッシュ米政権が窮地に陥っている中での“忠義”の決定といえる。

 特に外務省の二人の職員がイラクで殺されて以後、「テロに屈するな!」「ひるむな!」というヒステリックな声が、自衛隊の海外派兵を支持する人々の中から高まったのは、自衛隊のイラク派兵を実現することが徴兵制導入と9条改憲への近道となるからであった。

 閣議決定を発表する小泉首相の記者会見は詭弁に満ちたものとなった。小泉は自衛隊は「イラクの人道復興支援のために」派兵するという。だが実際にはアメリカ軍のイラク占領を支援するために行くのである。

 アメリカの言いなりになって派兵するのは「従属国」の証明である。真の同盟国なら、国際社会の反対を押し切って、中東全域を不安定化し、みすみす泥沼化する戦争に反対するべきであった。

 小泉は憲法の前文から自分に都合のいい部分だけを引用して「憲法の理念に沿った活動が国際社会から求められている」と言う。

 憲法の理念はいつから派兵を正当化するものになったのか? 派兵を求めているのはアメリカだけで国際社会は戦争に反対だったのである。

 憲法の理念とは平和主義であり、それは9条に代表されている。憲法9条は同時に対米従属の条項でもある。いくら「復興のため」と言っても、イラクの人々の目には侵略者であるアメリカの一味としか理解されず、したがって攻撃の対象となるのだから、自衛隊はやはり戦争に行くのである。

 アメリカの戦争そのものに大義のない侵略である以上、それに協力する自衛隊も侵略軍なのである。

 フセインが捕まっても、イラクの現在の主要矛盾に変わりはなく、アメリカ軍の占領によってアメリカ覇権主義とイラク人民の矛盾がイラクの主要な矛盾となっており、イラク人民の民族の自決のための正義の闘争は続くだろう。

 イラク戦争の“ベトナム化”の中でアメリカの占領は長期化し、派兵国は経済的に疲弊していくことになる。

 人類の歴史は侵略者の惨めな敗北の歴史である。それに加担する者、一時の勝利に乗せられて“勝ち馬に乗る”者も同様の末路を迎えることになる。

 自分が一日でも長く総理の椅子に座るために、卑屈に対米追従することが「国益」であるわけがない。それは私的利益と言うのである。ブッシュの忠犬と呼ばれるものに国益を語る資格はないのである。

 内政面でも小泉の詭弁が明らかとなっている。自民党は総選挙が終われば高速道路の全線建設を決定した。小泉改革は人民の高負担・増税だけが実施される。その他のことはフレーズだけである。

 ブッシュと小泉の最大の支援者は北朝鮮の金正日であるように見える。拉致やテロ、ミサイルや核兵器の脅し、「不審船」や薬物やニセ札のばら撒き、脅しで援助を要求する外交は「ならず者国家」そのもので、客観的にはブッシュや小泉の反テロ戦争を「正当』なものと見せかける役割を演じている。

 日本の反動派から見れば有事法制やイラク特措法の成立は北朝鮮の恫喝外交の「功績」である。北朝鮮から日本を守ってもらうために、アメリカのイラク占領に協力するのが国益だ」これがイラクへの自衛隊派兵を正当化する日本の反動勢力の論理である。

 しかしこれも詭弁である。

 真実は、日本がアメリカの北朝鮮敵視に追従するから、北朝鮮が日本を敵視するのである。

 日本にある米軍基地は北朝鮮を仮想敵としている。脅威を受けているのは北朝鮮であって、その逆ではない。食料も石油もない国が侵略などできるわけがない。

 アメリカの侵略に抵抗するイラク人民・パレスチナ人民の闘いを『テロ」と批判する人達は、第二次世界大戦の中での日本の青年たちの特攻隊をテロと避難するに等しいことを知らねばならない。

 祖国を守るために絶望的な力関係の下での闘いは、捨て身の特攻となるのは必然であり、それを誰も非難する権利はない。

 重要なのはその「テロ」がどのような歴史的背景の下で誰が招いたのか、と言うことである。

 イラク人民やパレスチナ人民の「テロ」は、アメリカとその手先であるイスラエルの軍事侵略が招いたものである。

 正義はイラク人民の側にあり、自衛隊は不正義の侵略戦争の片棒を担ぐことになる。その結果に責任をとらねばならないのは小泉首相である。