No.104(2010年1月号から)

民主党幹部の政治資金問題

裏に支配従属国関係の維持狙う米の存在


   鳩山首相の政治団体を巡る偽装献金事件は、相続税を支払うことで元秘書の在宅起訴と略式起訴で決着した。

 昨年春以来の小沢への政治資金疑惑については、小沢の代表辞任で決着がついたと思われた。だがその後小沢が民主党幹事長として巨大な力を持つことが判明すると土地購入を巡る疑惑が表面化した。

 1月12日には民主党小沢幹事長の関係先が東京地検特捜部から一斉捜索された。これらの民主党幹部の政治資金を巡る動きは、裏に支配・従属関係の維持を狙うアメリカの意向を反映している。

 民主党政権が発足して以後の日米関係は、普天間問題の日米合意の見直し問題と日米密約の問題が焦点とされた。民主党はマニフェストで「主体的な外交戦略を構築し、緊密で対等な日米同盟関係をつくります」としている。また「日米地位協定の改定を提起し、米軍再編や在日米軍基地のあり方についても見直しの方向で臨む」と明記している。アメリカ政府がこうした民主党の日米関係の見直しに反発していることは間違いない。

 クリントン米国務長官は民主党の東アジア共同体構想の「米抜き」の議論は容認できないと語っている。要するにアメリカは民主党の自立・自主外交に怒っているのである。

 政治資金問題は、日米の利害が対立した時の支配・従属関係の下での、いつものパターンが始まったのである。つまりロッキード事件と同じことが起こり始めたことを認識しておかねばならない。

 当時の田中角栄首相は、日本の資源面での弱点を補うため“日の丸油田”の獲得に向けてインドネシアや中東の油田買収に手を付けた。当時キッシンジャー米国務長官は、日本の行動を「裏切りだ」と断じ、また田中の日中国交回復に怒ってロッキード事件を演出して田中角栄を首相の座から引きずり下ろした。

 小沢は田中に「政治的息子」と呼ばれ、中国政府とも密接な関係を持ち、対米自立を「普通の国」と称して進めているためアメリカは怒りを強めていた。その小沢が政権党の幹事長として民主党国会議員の大勢力を傘下に確保したことがアメリカには許せないことであった。この間中国派の加藤紘一が潰され、ロシア派の鈴木宗男も潰された。今回の小沢潰しもアメリカが裏で策動している事は間違いない。

 アメリカは日本全国に米軍基地を置き、とりわけ首都東京周辺に多くの基地を維持している。現日本国憲法の制定権力はアメリカであり、したがって日本の真の権力者はアメリカなのである。

 日本とアメリカの利害が対立した時、動くのが東京地検特捜部である。同特捜部の動きは日本の真の権力者が誰かを日本の人々に気付かせている。地検特捜部を使って捜索すれば誰の、どのような犯罪でも捏造できるのである。民主党幹事長の小沢が本当に日本の実力者なら、今回の事はおこり得ない事である。

 普天間基地の移転は、グアムの米軍基地建設などで約3兆円も日本は負担しなければならない、これを白紙にされたことがアメリカの怒りの直接の理由だが、中心は日米の支配従属関係の維持とアジア支配にある。

 自民党の歴代首相が靖国神社に参拝して中国や韓国等を刺激したのはアジアで日本は戦略的に動かない証を示してきたのである。今の日本で小沢を批判しているのはアメリカの手先か従属論者ばかりである。

 日本の対米自立は、国民運動を背景に進めなければ今後もアメリカに同じ手口で潰されるであろう。