No.102(2009年11月号から)

普天間で食い違う日米首脳会談

日米間の支配従属関係を一掃せよ!


   オバマ米大統領が11月13日に初来日し、鳩山首相との間で首脳会談が行われた。両者とも選挙で改革を掲げたことから、選挙公約を実現する上で現実的困難に直面している。

 一方のオバマは医療保険制度の改革が議会の強い反対に直面し、アフガニスタンは泥沼化の中で増派か撤退かの決断に苦悩している。他方の鳩山は、公共事業から福祉・環境へと予算の組み替えに取り組んでいる。先の総選挙の公約であった沖縄・普天間基地の県外国外への移設の問題で、アメリカのカベにぶつかり苦悩している。

 日米政府とも当面は国内問題優先であり、外交では対立点を先送りして成果を強調するしかない。

 特に国際経済の中でアジア地域の急成長の中でアメリカのアジア戦略も、日本のアジア重視戦略も日米同盟を基礎にしており、この点では利害は一致しているようで、「日米同盟を深化」させるための「新しい協議のプロセス」を進めることで一致したことは両首脳が成果とする点である。

 鳩山の「対等の日米同盟」に対し、オバマ政権筋には、日本に外圧をかけ説教する古いやり方が日本のアメリカ離れを強めたことを指摘する声も出ている。

 日米の支配従属関係の表れである普天間をめぐる双方の旧政権間の日米合意には、両首脳の間にはニュアンスで大きな違いがある。

 鳩山首相は日米合意の見直しを意識しており、オバマは日米合意の履行を求めている。しかもこの問題を先送りした来年は日米安保50年であり、「同盟の深化」のための協議が「対立の深化」とならない保障はない、それゆえアメリカ側が年内の決断を迫っているわけである。年内の決断が可能なのか今後の注目点である。

 オバマ大統領は「息継ぎの和平」のために登場した人物であり、その政策は折衷主義的傾向を特徴としている。それはイラクやアフガンでの中途半端な戦争継続に示されている。

 アメリカは産軍複合体の経済からくる戦争が経済的・社会的疲弊を招いており、日本は戦後50年以上にわたる自民の一党支配が土木資本主義の行き詰まりを招いており、両国とも経済再建が直面する最大の課題となっている。

 アメリカの経済危機は今も継続しており、失業者は増え続けている。したがって経済再建を進める上で成長著しいアジア戦略が重要となっている。

 オバマは東京でのアジア外交での演説で、アジアの内需拡大を通じて、地域の経済構造を変革する必要性を訴えたが、アジア諸国にしてみれば、まずアメリカが戦争の発生源としての産軍複合体の経済構造を変えないと迷惑するのである。フセインのイラクのように同盟国でさえアメリカの戦争の餌食にされることになるのでは、安心してアメリカの同盟国になっていられないのである。

 すでに世界は多極化の時代に突入している以上、アメリカは超大国として傲慢に他国を指図したり強要したりすることはやめるべきである。大国であるなら、大国らしく控えめな態度を取るべきだ。サブプライム債券で世界中に災厄を押し付けた謝罪もきちんとするべきだ。単独行動主義で戦争を始め、貢献を他国に迫る態度はやめるべきである。

 日本に対しても圧力を加えればすべて受け入れる国という認識を改めてもらいたい。属国扱いをしておいて「対等の関係」を言われてもしらけるだけである。

 オバマが日米関係を支配従属関係でないと言うなら、沖縄の海兵隊は本国に引き揚げるべきである。オバマは前政権が計画したポーランドへのミサイル防衛基地建設を撤回した前例がある。普天間見直しは可能である。見直せば日米間の対立もおのずと解消するであろう。

 中国にビンのふた論を言う連中は信用できないというべきである。