No.100(2009年9月号から)

政権交代を利権の再配分で終わらせるな!

公約実現へ決意示した鳩山政権


   今回の総選挙は、国民が民主党を選ぶことで、自公の悪政に引導を渡したのである。したがって国民の「その期待に応えなければ、必ずしっぺ返し・失望感がこの国を覆ってしまう」(鳩山)であろう。

 鳩山新首相も新閣僚も、国民の期待を自覚し、笑顔がないのがいい。マニフェスト実現への決意が緊張感を生んでいる。民主党の掲げる「脱官僚」の政治は簡単ではない。巨大な官僚組織が面従腹背し、非協力で抵抗する可能性もある。

 年金改革も、ダム事業の見直しも、母子加算も、暫定税率の廃止も、農家への戸別所得補償も、資金を生み出すには政・財・官の既得利益集団から予算を奪い取るところから始めなければならない。郵政見直しも、郵便事業会社を握り、既得利益にありついた人達との闘いである。

 対米追随一辺倒の結果、国民に隠蔽した日米密約は、自民の売国外交の産物である。岡田克也外相が「密約をめぐる過去の事実を徹底的に明らかにする」ことを表明したのは正しい。前政権の悪政のウミを出すことから新しい政治が始まるのである。

 鳩山首相は麻生前政権が編成した補正予算の執行の見直しを指示し、公約の実現に向けて財源確保に乗り出したのも支持したい。総じて鳩山新政権が全力で公約の実現に向けて動いていることを国民は支持している。とりわけ外交では、アメリカが決め、日本が屈従する対米従属の主体性のない外交を岡田外相に一新してもらいたい。

 日米の対等の同盟を目指すには、現在は好機である。アメリカは金融危機で、オバマ政権は「息継ぎの和平」に入り、国内経済の建て直しに手一杯であり、今後アメリカは超大国としての力を失い、衰退していくことは避けられない。世界は多極化の時代であり、主体的な多極外交で日本が孤立することなく発展していく多極外交が必要なのである。

 幹事長の小沢が党を指揮し、政府は鳩山首相が「国家戦略室」と「行政刷新会議」と「閣僚委員会」を通じて政策を決定していくことになる。官僚が作成した作文を読むだけの自民党の利益誘導の官僚政治から「政治主導の政治」をぜひ実現して欲しい。その際官僚の妨害があれば、国民に公表することで自民・財界・官僚の妨害勢力と闘ってもらいたい。

 これまでは選挙が終われば、公約はすぐ忘れ去られた。それが自民党の政治であった。忘れるという字は心が亡ぶと書く、心が亡んだ自民党の利権政治が国民から見捨てられたのが今回の政権交代なのである。それだけに新政権のマニフェスト実行は、日本の民主主義にとって画期的な内容を持つことになる。したがって民主党の閣僚達が必死にマニフェスト実現に向けて動いていることを国民は見ている。

 誰がこの改革の妨害者であるかも、国民は見極めるであろう。つまり明治維新と戦後改革と並んで、日本の第3の改革が始まったと言えるのである。

 有権者は、政権交代が利権の再分配で終わらぬよう、政府を厳しく監視しなければならない。それが民主党連立政権を選出した国民の義務であるといわなければならない。国民の政治への期待が大きいだけに、それに民主党連立政権が応えられなければ、期待が幻滅に変わることになる。それではこの国の民主主義が失墜することになる。

 鳩山新首相を支えて民主党が国民の期待に応えられれば、この政権は歴史に名を残す仕事ができるであろう。対米自立の誇りある外交をどこまで貫くことができるか、ぜひ注目したい点である。